マニアック

流れ行く泡沫のように…

圭介は美由紀が部屋に入って来た時、熱い情欲の具現された大きく硬い、そりを打った触覚を露わにして、一人ベッドの上にこちらを向いて座りながら、右手でその立派な触覚をしごいていた。

ドアの開く音に気づくと、慌てて右脚を上に上げて太ももの部分で隠すように腰を斜めに傾け、Tシャツで覆うようにした。

暫く沈黙が部屋を流れた。

美由紀は突然恥ずかしくなって、思わずその場から逃げるようにドアを閉めてすぐ隣の自分の部屋に入って行った。

圭介は自分を見て顔を赤らめた美由紀の顔を何度も思い出しながら、傍らに投げ出されたズボンとパンツを履いた。

自分の兄の醜態を目にして、どうして良いかわからず、只はじめて見る兄の、隠しきれてないゴツゴツとした触覚を見つめていた、その純真な目をした美由紀を不思議と可愛く思った。

そんな事を思うのは恥ずべきであり、彼自身頭ではわかっていたのだが、情欲は、それに反して激しく脈を打ち妙に先程よりも更に大きくなっていた。

美由紀はベッドの中に潜り込んで、泣いていた。

何故こんなに涙が出るのかわからなかった。

見てはいけないものを見てしまった事だけがばくとして理解できた。

泣けるだけ泣いて、段々と心が落ち着いてくると、ベッドから出て来てティッシュで鼻をかみ、目の辺りを軽く拭いた。

そして泣き晴らした後の空虚な心持ちのまま、ベッドに腰を下ろして何度も先程の自分の見た光景を繰り返し繰り返し思い出していた。

ーこれからどのような態度お兄ちゃんの顔を見れば良いんだろうー

美由紀は決してこれから圭介とは、いつも通りには接する事が出来ないと思った。

数ヶ月程前にやっと中学を卒業した美由紀にとって、兄である圭介とこのような事があった後、一体どうすれば良いのか見当がつかなかった。

胸が痛かった。

しかしそんな不安な思いもやがて虚しく消え去り、段々と腹の奥から一種の熱い情欲が湧き上がるのを感じた。

何度も圭介の大きくそり返った触覚を思い出して、遂にそれをもう一度見たいと思った。

何故だかわからない。

しかしもうすでに美由紀の肉厚の雌しべが湯をかけられたかのように熱く濡れていた。

思わず美由紀は両手を太ももの付け根の内側に押し付けるようにあてがい、脚をしっかり閉じて何やら腰をウネウネと動かしていた。

ー舐めてみたらどんな味がするんだろうか、舐められたらどんな感じなんだろうかー

美由紀は無意識に口の中で舌を上顎に擦り付けるように動かして、先程見たゴツゴツしてそり返った触覚を意識しながら想像の上で愛撫していた。

そして自分の上顎に感じられる舌の表面のザラザラしたのを思い浮かべながらそれが自分の燃え上がる雌しべを舐めるのを想像した。

右手の人差し指をズボンの上から柔らかく熱い雌しべを刺激して、いつもより一層それが気持ちよく感じられた。

美由紀は口数の少ない性格で、また、老若男女が認める程の美貌を持っていた。

当然クラスの男達からはいつも好意の目で見られ、実際誰もいない教室で、長たらしい恋文で、部活後の夕闇の広がる下校中の電灯の下で、幾度と告白をされたが、いずれも断っていた。

嫌いなのではなかった。

美由紀に告白をしたのは皆端正な顔つきの好青年ばかりであった。

ただ単にその人を心の底から”愛せなかった”のである。

そんな事もあって美由紀は周りから”男に全く興味が無いのではないか”と思われていた。

そしてそれを皆信じてしまっていた。

しかしそれは誤解で、寧ろ常に心のどこかで熱情的な男の清く白い身体を求めていた。

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