マニアック

大好きな兄を守りたいから、捧げます

「…………わかりました」

「ありがとう。じゃぁ早速行こうか」

「あの、本当に兄の面倒を?」

「もちろん。さて、スリル味わうためにトイレ行こうか」

手を引かれるまま進むと、病院受付と近いトイレに入る。

「心配でしょ。怖いでしょ。でも大丈夫だから。気持ちよくしてあげる」

頭をポンポンと叩かれて、慰められる。

手が置かれている頭から徐々に下に下がっていくことがわかると、

ついに、と考えてしまった。

怖い。

けど、兄がいないほうが怖い。

兄のいない世界なんて考えられない。

あたしには兄しかいない。

だから、受け入れようと心に決めた。
………

………

首筋を撫でられる。

ゆっくりと上下に撫でられるとくすぐったい。

次第にその指に力が込められて、鎖骨もするりとなぞっては下っていく。

あたしが着ていたブラウスの中に手が入った。

後ろに手を回してブラジャーのホックを外す。

手慣れた様子で、あたしのわりと控えめな胸を包んでは揉んでいた。

よく映画とかではこの時点で女性は感じていたが、あたしは全く。

胸の尖端せんたんをかすってはいるものの、全然。

「うーん………」

勇太さんは考え出した。

きっとあたしが乗らないから…………

「おいで」

そう言ってトイレから出て向かうは兄の病室。

兄の隣のベッドに座るように指示された。

座るといきなり押し倒される。

「この手があったか」

「え?え?」

「だめだよー?お兄ちゃんの前でこんな大胆なことやっちゃ………」

待って!!

兄の前でだけは……

いやっ!!!

「い…………」

叫ぼうとすると口にハンカチのようなものを突っ込まれて何も話せなくなる。

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