学生もの

後輩ワンコくんの大きなアレで…

互いの部屋に行き来するのが普通になった頃、今日もいつものように椎名くんを自室に通し、私は特に何かを意識することなく彼に話しかけた。

「今日みんな出かけてるんだ。家の中、私と椎名くんしかいないからゆっくりくつろいでね」

「えっ」

椎名くんは二人きりという状況が想定外だったのか、いつもより明らかに緊張した面持ちで身体をカチコチに固くした。

「どうしたの?今さら緊張なんてしなくていいよ。ね、ほら、いつもみたいにくっついていいよ」

「い、いいんですか」

椎名くんはおずおずと腕を拡げて、広い胸に私をすっぽりと収める。

大型犬を撫でる感覚で、いつものように彼の背中をなでなでとすると、椎名くんはいつもより強く私を抱きしめた。

そのまま茶色くてふわふわした頭を私の首元に押し付けて、ぐりぐりとする。

「ふふ、くすぐったい」

「……」

もちろん彼のことを男性として好ましく思ってはいたが、どこか可愛い弟分として見ていたことも確かだ。

だからつい、言ってしまった。

「今日は甘えん坊だね?よしよし、いい子」

「……」

私にひっついていた椎名くんは、一瞬ぽかんとした顔をしたけれど、すぐにむぅっと頬をふくらました。

しまった……、もしかして気を悪くさせたかな?

私は少し焦って、彼の頭をわしゃわしゃしていた手をそっと下におろした。

ねた顔も可愛い、と思ったことは口に出さないでおく。

「……家の人もいなくて、先輩の部屋で二人っきりで、こんなにくっついてんのに。よしよし、いい子は酷くないっすか」

「え、えっと……」

ちょっぴり頬を赤くした拗ね顔で、椎名くんがぐっと身を乗り出してきた。

思わず仰け反った拍子に、足がベッドのフレームに当たる。

倒れないようにベッドに手をつくと、スプリングがギシリと音を立て、私の胸は早鐘はやがねを打ち始めた。

「あ、の……椎名、くん!」

ベッドの軋みがこれからのことを予感させ、私は照れ隠しにわざと明るい声を出した。

「もー!近い!近いってば。息が擽ったいから離れて」

「嫌っす」

ぐぐぐ、とますます彼が近づいてくるので、それに合わせて私も仰け反るが、当然私のほうが先に体勢を崩してしまう。

「わ、わ、わっ」

「ベッドに寝転がったりして、誘ってるんすか?」

「さ!?誘ってなんかいません!は、離れてよー」

「でも、俺は指一本触ってないのに、先輩が勝手にベッドに横たわったんすよ?絶対誘ってる」

「椎名くんが近づいてくるから避けただけ!もう!どーいーてー!」

「やだ」

「や、やだ、じゃないの!ハウス!」

「あ!またワンコ扱いっすか」

「ちがっ……つ、つい!焦っちゃって!」

「……いいっすよ、もうワンコで」

椎名くんは私を跨いだままスッと体を起こすと、クロスさせた腕で自分のTシャツの裾を掴んだ。

乱暴に首から引き抜くと、ベッド下にばさりと放り投げる。

いつもの彼とは違う少し雑な所作が、これから特別なことをするのだとささやくようで、私の胸は緊張とときめきで複雑な音を立てた。

「な、何で脱ぐの」

「何でだと思いますか?」

椎名くんは少し顎を上げ気味にして、こちらを見つめてくる。

すっと通った鎖骨、そこから続く鍛えられた胸板、水に負けない筋肉が描く腹部の陰影は、ある意味見慣れたものだった。

部活で目にした時には、いやらしさなど僅かも感じはしなかったのに、今この場ではとてつもなく魅惑的に見える。

「……っ、ワンコでいいんじゃなかったの?」

「ワンコでいいっすよ。ワンコらしく舐めたり噛んだり上に乗ったりしますから」

「え、ええ……っ!?」

椎名くんはそう言うと、私の顎下をペロンと舐めた。

「……!?な、舐め、舐めたぁっ!」

かぁぁっと赤面した私を見て、椎名くんは悪戯っ子のようにニヤリと笑う。

「ワン」

「ちょ、ちょっ、や、擽ったいよ!」

必死で彼を押し返そうとするが、スイミングで鍛えられた身体はビクともしない。

顎、首筋、耳……そして鎖骨を舌先で擽られて、笑っていたはずの私の口からはいつの間にか「んっ」とか「あっ」とか、甘い声が漏れ出していた。

「先輩、声……かわいい」

浮かされたような眼で、頬を紅潮させた椎名くんが私の顔を覗き込んできた。

うう……かわいいのは君だよ……!

もうこのまま流されちゃってもいいかな、そう思っていた私の膝に、ふと熱くて固いものが当たる。

「……?」

「うぁっ、せ、せんぱ、膝っ」

「え、え?……あっ!?」

彼の反応で、膝に当たるものの正体に気づいた私は、文字通りピャッと飛び上がった。

もちろん伸しかかっている椎名くんに抑えられてしまったけれど。

「先輩……俺、先輩とえっちなことしたい!お願い先輩。俺……童貞だけど頑張るから!優しくするから!」

瞳をうるうるさせてお伺いを立ててくる椎名くんが可愛くて、私は恥じらいながらもこくんとうなずいた。

「せ、先輩っ!好きっす!!」

ぱぁっと嬉しいオーラを顔中から発して、椎名くんが私をぎゅっと抱きしめた。

私もそれに応えて、彼の背中にそっと腕を回す。

より強く彼の高ぶりが私の膝に触れて――ハッと思い出した。

「や、や、やっぱり!やっぱりダメ!無理!」

「えっ!?ええっそりゃないっすよ先輩!」

「だ、だって!だって君のって、椎名くんのって!そ、その……おっきいじゃん!」

「そっ……そ、そう、ですけどっ!」

「ただでさえ体格差あるのに、椎名くんのみたいな大きいの入んないもん!」

「駄々っ子みたいな言い方しないでください可愛いなもう!ちゃんと入るように準備しますから!俺に任せてください!」

「童貞なのに!?」

「そこは愛の力で!」

「信用できるのは愛なんかじゃなくて駅チカの土地だけだってテレビで言ってたもん!」

「じゃあ駅チカの土地も結婚したら買いますから!先輩と住む新居、駅チカの土地に建てますから!」

「へっ?」

なに、いま、結婚って言った……?

思わず動きを止めてぽかんとした私に、椎名くんはちゅうっと可愛らしい口づけをした。

「先輩、やっぱり……ダメですか?」

きゅうんと鳴いたのは、ワンコな後輩なのか私の胸なのか。

それがわからない時点で、私はもう負けているのだ。

「……そっとね、優しくして。噛んじゃダメだよ」

「は、はい!」

好物を前にお預けをくらっていたワンコが、「よし」の声で嬉しそうに尻尾を振る。

やっぱり可愛い、なんて思っていたが、次の瞬間貪るようなキスをされた。

「ん、ん……っ」

肉厚の舌が私の口膣にズルンと入り込み、あちらこちらを探っては貪っていく。

仰け反った喉に唾液が伝ってもおかまいなしに、椎名くんは私の頭を抱え込んでキスを続けた。

「っは、苦し、……ッ」

キスに気を取られていた隙に、椎名くんの大きな手が服裾から侵入してきた。

ブラジャーの上から胸の膨らみを掴まれると、そんなに小ぶりでもないはずの私の胸でも、掌にすっぽりと収まってしまう。

「椎名くん、手もおっきいんだね」

「え?あ、確かに……俺どこもかしこもデカイかも」

「ん、あったかくて気持ちいい」

「せっ、先輩」

椎名くんは頬を真っ赤にしてまた私にキスをした。

……舌もおっきくて長くて厚いんだなぁ。

熱に浮かされた頭でキスを受けていたが、椎名くんにきゅっと乳首を摘まれた瞬間、頭がクリアになる。

無色ではなく、ピンクの透過フィルターを通したみたいな透明だ。

「んッ!んぅ、ぅぅ」

「せんぱ、はぁっ……かわい、んっ、ココ固くなってきた」

椎名くんはキスの合間に呟きながら、私の円い胸を揉みしだく。

潤んでしまった瞳で見上げた彼は、もうじんわりと額に汗をかいていた。

それだけ必死で、それだけ夢中になっているのだと思うと、私の胸にもじんわりと喜びが湧いてくる。

「すみません、もっとゆっくり焦らしたりしながら頑張ろうと思ってたんすけど、ちょっと無理です。色んなとこ触りたい。こっちもいい、ですか」

「ひゃぁ……っ」

椎名くんの手が私のショーツの中に荒々しく入ってきた。

思わず赤面して肩を跳ねさせたが、大きな椎名くんに抑えられていて少しも動けない。

「先輩、濡れてる」

「そ、そういうこと、言わなくていいの!」

「でも……あ、これ、この尖ってるとこ、クリってやつ?触ると気持ちいいすか?」

「だ、だからっ!そういうことは……やぁっ」

彼がクリトリスを触ったと同時に、私はビクンッと身体を跳ねさせて甲高い声を上げてしまった。

鋭い快感が重く下腹にへばりつく。

「あ、先輩もっと濡れてきた。気持ちいいんだ?」

「う……ぅぅ……」

「へへ、先輩かわいい」

口ごもる私に舌を突っ込んでキスをしながら、胸とクリトリスを捏ね回して、椎名くんは興奮でギラギラした両目を眇めた。

私忘れてたのかも……どんなに可愛い犬だってやっぱり獣の性を持っているって。

「っ、あっ!指入れちゃダメ……!」

「でもいっぱい濡れて、ヒクヒクしてます」

ぬるん、と椎名くんの指が秘孔に忍び込んでくる。

熱く潤んだ媚肉を掻き分けて、太くて長くて、節ばんだ指が私の気持ちいところを引っ掻いた。

「ぁ、あっ……ふと、いぃ」

「ダ、ダメですよ!こんな指一本でそんな可愛い声上げてたら、このあとどうなっちゃうんですか?ダメです、ダメダメ、俺のメンタルがダメです」

「だ、だってぇ」

ぬぐ、と一本目の指をガイド代わりに、二本目の指が入り込んでくる。

Gスポットの辺りと奥の方を同時にいじられて、私は息を詰めて身体を緊張させた。

爪先が強張って、きゅううっと内側に丸まる。

「これ以上は、イ、イっちゃう、から……!もう挿れて、いいよ……っ」

「で、でも」

「い……いいから、椎名くんも下着脱いで」

椎名くんは少しの間逡巡していたが、こくんと頷きジーンズとボクサーパンツを脚から脱ぎ落とした。

……当然、彼の昂りがはっきりと見えるわけで。

「ひょえ……」

「すみません……」

お互いそれしか言えずに、黙り込むこと数秒。

先に動いたのは椎名くんだった。

「すみません大事にしますから抱かせて下さい!!」

ベッドの上で土下座をかました椎名くんをぽかんと見上げて、それから私は思わず笑ってしまった。

「君のこと好きだから、いいよ」

「せ、先輩!」

がばっと抱きついてきた椎名くんに、今度は私からキスをする。

足の付根にあたる椎名くんのものは、芯を持って固くなっていて、先端が薄っすらと濡れていた。

腹につきそうなほど勃ち上がって、全身に筋を立たせている。

確かに怖いけど、それと同じぐらい期待する気持ちも私の中にあるのだと気がついて、ごくんと唾を呑み込んだ。

「せんぱ、い、挿れます」

「う、うん……」

ぐっと熱い肉矛が私の秘孔に食い込んで来る。

閉じた窄まりを目いっぱいに抉じ開けて、野太い欲望が私の中を暴いていく。

「ひ、大き……っ!大きいよぉ」

これ以上入らない、と私が音を上げようとした時、ぐぷんと彼の先端が蜜壺にはまり込んだ。

「先っぽ、入り、ました。一番太いとこ……入っちゃいました、先輩っ」

椎名くんはハァハァと乱れた呼吸を繰り返しながら、私の顔のあちこちにキスを繰り返した。

それがくすぐったくて照れくさくて、私は固くなっていた身体から少しだけ力を抜く。

「あ、ぁ――!」

次の瞬間、私の口から甘い絶叫がほとばしった。

僅かな弛緩を狙ったように、最奥まで突き込まれる。

可愛いのに可愛くない、感情的なのに計画的……!

いくつものワードと文句が頭に浮かんだが、そんなものはすぐに意識から掻き消えた。

「うわ、……っ先輩のナカ、きもち、い……っ!」

「ひ、ぅぅ……!はぁ、ん、ぅう」

咥えこまされた圧倒的な質量で、腰骨がぎしぎしと音を立てているような気がする。

体も心もいっぱいいっぱいで、やっとの思いではふはふと息をしている私を、椎名くんはうっとりとした眼差しで見つめた。

嬉しそうに頬を赤らめた椎名くんは、長い指で濡れた結合部を撫でてくる。

「すげ、先輩……限界まで拡がってる。俺でいっぱいだ」

「あッ!や、待って……ゆっくり、ゆっくりして!」

ずず、と太い幹が抜け出ていいく。

まるで体の中身ごと引きずり出されてしまいそうで、私は涙声なみだごえで椎名くんに哀願あいがんした。

「はいっ!ゆっくり、します。ゆっくり……出し、て……ッすみませ、無理、かも」

「そ、そんな……!む、無理とか言――――ひゃあァあッッ」

雄根が引き抜かれるのに合わせて私の体もずり下がり、慌ててベッドシーツを掴んだその瞬間。

野太い雄根を一気に押し込まれた。

体の芯から震え上がるような淫撃いんげきは、私の雌孔メスアナをきゅんきゅんさせる。

唇からとろりと唾液がこぼれても、もうそれをぬぐう余裕もない。

「うわっ、わっ!しま、締まってる、先輩ッ……!はぁ、う……先輩、もしかして……イってくれたんすか?ね、先輩、俺に一回ズンッてされただけでイってくれたんすか?」

「や、やぁ……訊かない、で」

「で、でも、教えてほしい……」

耳をぺたんとさせたワンコみたいな顔でじっと見つめられ、仕方なく私は真っ赤になりながらも小さく頷いた。

「……!俺、俺うれしーです!俺もっと気持ちよくなってもらえるように頑張りますっ」

「や、これ以上気持ちよくしないで……っ!」

「ッ、せ、せんぱい」

むくくっと私の体内でまた雄根が大きくなる。

反射的に叫び声に近い嬌声を上げて、くんっと背を反らせると、奥までハマり込んだ椎名くんの雄が私の子宮口をごりっと抉った。

「ッ……あ……ソコ、すごい……いい……」

自分でも自覚できるほど、私の瞳孔はとろんと甘く潤む。

奥深くから迫ってくるような重い悦楽えつらくで、肚の奥が歓喜に戦慄わななくのが分かった。

「ココですか?ココが気持ちいいんですか?」

「うん、もっと……して」

「は……はい」

椎名くんは興奮しきった眼差しを向けて、私の腰を両手でがっつりと掴んだ。

「……っ」

これから襲い来る、暴風のような抽送と快楽を予感して、私は怖さと期待でぶるるっと体を震わせる。

ずろろろろ……ッ、ズンッ!

「かは……ぁ……ひぃううッ」

引き摺り落とされ、押し上げられる。

芯に刻み込まれるような衝撃が、快楽を孕んで繰り返される。

雌孔すべてを征服されて、満たされて、蹂躙されて、愛されて、私はもう嬌声を上げて絶頂することしかできなかった。

「あァああッ!ひィッ!や、ああッ!奥ゥ、すご、ァァあああッッ」

「せ、せんぱ、先輩!先輩、先輩、大好きっす。好きです、かわいい、先輩、先輩、先輩……っ!」

興奮に声を上擦らせて、早口に椎名くんが呟く。

無意識にうんうんと頷くと、彼は嬉しそうに私にキスをした。

椎名くんはちゅうちゅう、と口と舌を吸いながら、私の最奥を穿うがって掻き混ぜて、痙攣けいれんし続ける蜜孔を自分の形に拡げて満たす。

「はぁッ、あ、しーなくんっ」

「はいっ、先輩?」

「きもち、い、ね」

思わず溢れた明け透けな自分の本音に、私はえへへと笑ってしまった。

「……っ、は、はい!気持ちいいです。先輩とだから……っ!」

「ひぁっ!」

ズン、と深く深く突き込まれる。

圧倒的な質量で全てを埋め尽くされる、我を失いそうな快楽だった。

「イ、イっちゃう、よぉ!椎名くん、椎名くん……っ!」

「……っ、せんぱ、一緒に……!」

――やっぱり、かわいい。

私は胸の中でそう呟き、椎名くんの首に腕を回して抱きついた。

「んぅ、あぁッ!うん、うん、一緒に……イ、――ッッ……ッ」

「せん――ッは、うぁ……ッ!」

肚の奥に熱い飛沫が叩きつけられるのを感じながら、私は椎名くんと甘くて幸せなキスをした。

「ひゃっ……!?な、なに、して……ンンッ」

「へへ、マーキングです」

椎名くんは白濁で溢れた私の蜜孔を掻き回して、まだ固いままの雄肉を擦り付けるように腰を動かしてきた。

どうしよう、また気持ちよくなってきちゃう……。

赤くなって顔を背けた私の耳に、可愛いだけだったはずの後輩が囁いた。

「……ね、先輩。もう一回」

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