そうなのです。
浮気相手はあたしが仲良くしていた会社の後輩のかわいい子。
いつも人気があって、じゃっかん暗めなあたしからすれば羨ましい限り。
スタイルもよければお家柄も良い。
少なくともうちよりは。
けれども暖かさは負けていない!
それを知ってくれているということをわかってくれていたと思っていた。
たとえお金がなくても、裕福じゃなくてもいい家族なんだ。
「そんな千草に良い報告があるのだ」
「?良い報告??」
「男を知ってる深雪からのスペシャルな話だから、よーく聞きなさい」
「うん」
「実はね‥‥‥‥‥‥」
この時、初めて深雪を敬ったのだった。
その話というのは‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥
「いらっしゃーい!」
男にぎゃふんと言わせるための、ホスト通いだ。
「うわーキラキラ」
「深雪ちゃんから聞いたわよー?アナタ、男を知りたいんでしょ??」
しかもただのホストではない。
というかホステスに近い彼たち。
そう、ここはゲイバーだ。
「は、はい」
「あーんダメダメ。まずメガネするならおしゃれメガネよ!ある!?持ってる!?」
「あ、持ってない、です‥‥‥」
「あらヤダ。肌はあたしに近いくらいきれいねぇ。スキンケアはしっかりしてるのねん」
なんだか調子狂うな‥‥‥
「はい」
「‥‥‥つまらない。」
「え?」
「人生負け組になってるわよ?思い切り人生を楽しまなきゃ!!」
「あ、はい!」
「うん、声はきれいだからハキハキするだけで様になるじゃないの」
「ありがとうございます」
「じゃぁさっそくうちでアナタをきれいで男が振り返るような美貌に育ててあげるわよ!!」
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