それは、あたしたち夫婦が結婚してからだった。
普段は優しい妻であるあたし。
普段は忙しくてなかなか一緒に過ごせていない夫。
そりゃぁ‥‥‥すねたくもなるでしょ。
ご飯もなかなか帰ってきてくれなくって一緒に食べてない。
朝はあたしよりも早く起きてパッと着替えて出社する。
夜は深夜だからあたしが眠っている間の帰宅。
会話すらしていない日もある。
そうだよ。だってさ、仕事仕事ってさ‥‥‥。
いつまであたしにオナニーさせる気だよーー!!!
………
………
………
「温泉旅行?」
このワードを出したのは、夫の姉の
「そう!この三連休で一緒に温泉行かない?」
「でも‥‥‥
「だぁいじょうぶ。アイツのことはあたしに任せて!」
「美月さんには‥‥‥迷惑かけます」
「ううん。それはこっちのセリフだよ。うちの
「いいえ!!」
「ふふっ。とびっきり楽しい旅行にしてあげるから、明後日は4時に迎えに来るからねー」
めちゃくちゃご機嫌なお姉さんはそういって、亮太の話を待たずに決めて予約までしていた。
本当に優しいお姉さんでよかった‥‥‥。
さて、あたしは亮太にばれないように旅行の準備しよう。
あとはお姉さんがうまくやってくれるはず。
‥‥‥うん、信じよう。
‥‥‥
‥‥‥
当日
携帯の着信音が鳴り響いた。
そのもとは亮太の携帯。
お姉さんからの着信だ。
何で知ってるのかって?
それはね‥‥‥
あたしとお姉さんとで電話してるから!!
「あ、亮太起きた?これから旅行だって言ったじゃん」
お姉さんはなんて伝えたんだろう‥‥‥
亮太も楽しみに思ってくれて‥‥‥ないよね。
お寝坊さんだし‥‥‥。