恋のはじまり

合コンで見つけたキセキ

「あの……桝見ますみくん。すごく手がきれいなんだね!」

一瞬、目を見開いてあたしの顔を見てくれた。

それからまた視線をしたにずらして、

ひとりの世界に入る。

いいな、とも思った。

だから、どんどん圧をかけてみた。

「ねー桝見くん。桝見くんは合コンよく来るの?」

「………いや。今日は仕方なく…………」

反応はまずまず。

「あ、それ、って…………」

桝見くんが持っていた財布に凹っとしたウサギのキャラのシールが貼られていた。

それはあたしも大好きで、集めてるキャラだった。

「あー!それってちるかわだ!!」

「え?」

「あたしもよく集めて―……」

ウキウキで話しかけていたら、よく見ていた男性が合コンに参加してきた。

あたしは一瞬で地獄に落ちた。

それは、前彼だ。

「佐倉ぁ?」

矢吹やぶきくん………?」

「ははっ。お前が合コン?」

「な、に。いいじゃん」

「いやー落ちるに落ちたな!ずっと俺の下でアンアン喘いでるだけの女かと思ってたぞ」

止めて。

「俺の盛りについてこれるくらい欲求だらけの女だぞ?」

ヤメテ。

「こいつが合コンとか人生終わりでわろたぁ!!」

ドン!!!

テーブルを思いっきり叩いてしまった。

みんな驚く。

こんな男にあたしはずっと付き合ってたんだ…………

「帰る」

「王子様の俺様が送って差し上げようか?」

完全におちょくってる。

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