恋のはじまり

逆転婚活

………

………

………

「ん……んぅぅっ……!」

 ――ぢゅーっ! ちゅぽちゅぽ……

 たっぷりの唾液で舌を絡ませあい、ちゅぷちゅぷと角度を変えてキスを深くする。

「はぁ、梨花さん……っ」

 沢渡さんは私から酸素を奪うように、再び唇を重ねた。

「んーっ! んんっぅう」

 さわやかで優しく、真面目そうで控えめな印象の沢渡さんとは一変して、食べられちゃいそうなキス。

 居酒屋で落ち合ったのが一時間前で、終電を逃したのを言い訳にホテルへ向かったのが少し前。 

 お互いそういう雰囲気ではあったけれど、「嫌だったら映画でも見てすごそっか」なんて言っていたのに。

「すげ……唇ぷるぷるで気持ちいい……」

 沢渡さんは私の唇をはむはむと堪能しながら、服の上からあっさりブラのホックを外してしまう。

「あう……なんか、手慣れてない……?」

「ないよ、めっちゃ緊張してるし」

 ほら、と私の手を自身の心臓にあてがう。なるほど、私より心音がうるさいかも。

「緊張してるし、余裕ないし、ぶっちゃけ、梨花さんとこういう雰囲気になれたのは嬉しいけど、がっつき過ぎてるかもって不安にもなってる」

「ここまできて、こんなキスしてきたくせにそんなこと気にしちゃうんだ……?」

 なんだかちぐはぐな様子が面白くて笑ってしまう。

 沢渡さんは恥ずかしそうに首をすぼめた。

「そっちは仕事だってわかっていても、俺のいいところを引き出そうとしてくれたり、褒めてくれたら嬉しいし……なにより、単純にタイプなんだよね」

「ホント? 私も仕事中からこの人いいなぁって思っていたから嬉しい……んんっ!」

 くちゅっくちゅっと甘い音を立ててキスが続く。まくり上げるように服を脱がされ、ぷるんとまろびでた胸を優しく掌で覆われた。

「すごい、色っぽいね……唇も、ここもぷっくりしてる……」

「あんっ! もぉ、気にしてるのに……!」

 つぅっと下唇と乳首を舌でなぞられる。

 乳輪が少し大きめなので、胸を見られるのは好きじゃない。 

 でも

「なんで? エロくて可愛いよ?」 

 と沢渡さんは嬉しそうに眼を細め、口に含んだ。

 ――くちゅっ! こりゅこりゅ……ぢゅううっ

「やっ! ああぁあん!」

 大きく口を開け、乳輪ごと吸われると身体がビクンと疼いた。

 そのまま押し倒され、右手でかりかりと左側の乳首をひっかくように擦られる。

「あう……かりかり気持ちぃ……」

 舌と指でそれぞれ優しくくすぐられるようにされると、つい腰が疼いてもじもじと足をすり合わせてしまう。

 ちゅっちゅっと緩急かんきゅうつけて吸われた後、舌でねっとりと潰され、思わず「あぁ」っと嬌声きょうせいが漏れた。

「んっ……ちゅむっ……梨花さん、乳首好きなんだね……」

「あっあぁっ……こんなに、感じたことな……んんっ!」

 飴玉を転がすようにころんころんと舌で追いかけまわされ、固くなったところでかりっと優しく噛まれる。  

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