「~~~ッ!は、う……ふううっ……!」
身体が勝手にのたうち、びくんっとまな板の上の魚のように跳ね上がる。
ペニスが身体の深い場所でびくびくと震え、何度かに分けて射精した。
ふっ、ううっ、とひさしが低く呻くのを耳元で聞きながら、ミノリの脳がじわりと震える。
ペニスをきゅう、と力を入れて締め付けると、それだけでミノリもまた、軽くイッてしまった。
男のペニスで与えられる絶頂は、苦しいまでに快感で、たまらなかった。
「ミノリちゃん、ちゃんと気持ちよかった?」
二人でベッドに横たわり、息も整ってきたころ。
恥ずかしそうにそう聞いてきたひさしは、いつものちょっと冴えない、優しいひさしだった。
セックスの最中のあの激しさは、跡形もなく消え去っていた。
「……ひさしくん、さあ……」
自分でもわからないがなぜだか少し悔しくなって、
ミノリは視線をそらしてすねたように唇を尖らせて見せる。
「慣れてる……よね……」
そう言ってから、ああ言うんじゃなかったと後悔した。
肯定されてしまえば悲しいし、なんだか嫌味のようだ。
しかし、ひさしはそれを聞いて嬉しそうに笑った。
「慣れてないよ、でも、ミノリちゃんに気持ちよくなってほしくて」
「……」
「焦らないようにって気を付けたつもりだったんだけど……あんまりよくなかった?」
「う……」
思わずミノリはくるりと向きを変え、ひさしに背中を見せた。
(そんなのって……ずるい!)
人生で一番気持ちよかった、なんて恥ずかしくて言えなくて、ミノリはシーツに顔を押し付ける。
それで伝わったのか伝わっていないのかはわからなかったが、ひさしが背後から抱き着いてきた。
「これからもミノリちゃんに満足してもらえるように頑張るからね♪」
耳元で囁かれ、背筋がまた、ぞくりと
後ろから伸びてきた手に乳房をそっと包まれて、すぐに起ち上った乳首を指で摘ままれる――。
「あっ」
というミノリの甘い声が合図だったかのように、二人の身体は再び、ゆっくりと絡み合う。
それからすぐに、ベッドのきしむ音が部屋に響き始めた。