「好きです!付き合って下さい!!」
告白シーン。
「いいよ。俺も好きだった。ありがとう」
こんな素敵なシーンは再現したくなるよね。
わかりますか?
………
………
よし、幼馴染にやってみよう。
ドラマとか映画好きだと知ってるアイツなら、察してくれるかも。
ふと思いついた今日この頃。
さっそく幼馴染の
「今ヒマ?」
>暇ならお前にLINE返信してない
「素直にヒマと言いなさい」
>はいはいヒマだーー
「ふふっ。相変わらずだなー、あたしたちは変わらない。だからできちゃうんだよね~」
>何の話だ?つかお前相変わらず考え事を口に……ってか文字にすらするよな
「げげ。ごめーん」
>もういい。んで、なに
「今から会いたい」
>珍しいな。今日は雷が落ちるか?
「!ばーか!」
>わかったから、なんだよ。このクソ雨の日に。
「よし、うちに来なさい!」
>久々の呼び出しだな。お前んちなんてもう1年くらい行ってない
「アンタが避けるからでしょ」
>気のせい気のせい。じゃ、今からいくわ
「はーい」
…………と
ここまでLINEしてひっかかってくれたよ。
ありがとう。
…………ってか竜也がこの家に来るのってそんなに経ってたか。
あたしたちは昔から幼馴染というか兄妹のように育ってきた。
二人に壁とか部屋はいらない。
そんな風に過ごしていた時だった。
お父さんが女を作って出て行ってから。
なんだか妙にお母さんは、竜也を自宅に入れなくなった。
外であったり学校であったりすることには何も言わないけど
なんでか……自宅はだめになった。
今日はというと、お母さんが仕事の出張で明日の夜中までいない。
こんなことは初めてだった。
寂しいし、ドラマは恋愛ばっかでむなしくなるし、
自分はなんもないなぁ。
ってそんな時に思い出した存在は、昔ずっと一緒にいた竜也だ。
無性に逢いたくて、本音を言えば、そばに来てほしかった。
理由つけるためだけに、ドラマを見てしまったんだろう。
なんでこんなわざとらしいことをしてるんだ?
うーん、意味わからん。
そうだ、これも竜也に聞いてみよう!
よし、逢う理由がまた一つ増えた。