(こ、これが噂に聞くラブホ……)
ダブルベットを眼前にした私がガチガチに緊張している一方で、
由紀さんはカラオケの受付を済ませるようなスムーズさで部屋を指定し、現在に至る。
「あ、あの……」
――私、どうしたらいいですか?
自分でも恐ろしく愚門だと思う。
けれど、緊張のあまり口にしようとした言葉を、由紀さんの唇で塞がれた。
「ん、んんっ……!」
突然すぎるキスは、まるで私を叱るかのように深い。
はむはむと感触を楽しむようにはまれたあと、つぅっと舌が輪郭をなぞる。
「は、ぁあ……っ!」
「玲愛ちゃんはさ、どうされたいの?
優しく処女喪失したい?
それとも……さっきのシナリオみたいにガンガン責められたい?」
「……っ!」
耳元で息を吹きかけられ、ぞくぞくとしたものが背筋を走る。
「美緒から聞いてるよ。
経験のなさが故に好奇心が勝って知識だけは豊富になっちゃってるって。
普段どういうのを妄想しているの?」
「そ、そんな……っ!」
「教えてくれないんだ? じゃあ、好きなようにさせてもらうね」
由紀さんは私のブラウスの裾に手を入れると、容易く服を脱がせてしまう。
あまりに自然な手つきで、恥ずかしがることすらできなかった。
スカートをすとんと降ろされたところで、
さすがに身体を丸めたけれど下着姿になってしまっているので意味がない。
「撮影のときも思ったけれど、玲愛ちゃんの肌、
すべすべでずっと触っていたくなるよ」
頬を撫でた長い指が、鎖骨にすべり、ブラのホックを外してしまう。
「ん……あぁ……」
いともたやすくあらわになった乳房は由紀さんの掌で形を変えた。
「白くてきれいな肌だね。すべすべだ」
由紀さんはおそるおそるといった様子で固くなりつつある胸の頂にキスを落とす。
「んっ!」
ちゅっちゅっと啄むようにしてくすぐられると、
何とも言えない感覚に身体がびくんとはねた。
されるがままの私は、緊張のあまり腕のやり場に困ってしまう。
由紀さんはそんな様子も楽しそうに眺めてくるから意地悪だ。
視線をあわせたままゆっくりとショーツも脱がされ、私をバスルームへ誘う。
「んん……ちゅむ……ちゅっ、あむ」
互いに一糸まとわぬ姿になったところで、
由紀さんは私の顎をとり、再び唇が重ねられた。
――ちゅ、くちゅっ! ぢゅぽっ!
「ふぁっ、あぅ」
舌がこすれ合い、口内をまさぐられる。
上手く息つぎできなくてつい口を大きくあけると、
ぢゅっぢゅっと緩急をつけて舌を吸われた。
「んくっ、ふぁっ!」
唾液に溺れそうになりながら、ちくんちくんとした緩やかな痛みに眩暈がする。
「は……あは、玲愛ちゃん、気持ち良さそー……」
由紀さんは荒っぽく口元を拭う。
「はぁ、はぁ……だってぇ……!
由紀さんキャラ違いすぎぃ……」