「ぁあん!あ!いぁ!!」
「おーおー、誰がいつくるかわかんねーのに喘ぎまくりかよ」
「おぼ、ちゃ、まぁ…………」
「まぁいいか。俺は今からただの男になる。だから名前で呼べ」
「へ?」
「じゃねーとやめんぞ」
「そ、んな…………」
「ん?」
決して言ってはならないと母から言われている。
お屋敷の方々と親しくしてはだめだと。
けどあたしは…………
「………ま。
「さまはいらん」
「久、しさん…………」
「まぁいいか。じゃ、一緒にいこうな」
指を絡ませてあたしたちは、
必死に腰を振っていた。
「は、ぁ、ああん、あ!」
「はっ……アンタの中、気持ちいいなっ」
「あ、久志さあん!!」
「も……いきそ…………」
イキそうになった瞬間に、
久志さんはピタッと止まってしまった。
「…………?」
指を絡ませた手のひらを放される。
「名前は?」
「え?」
「アンタの名前」
「………鈴村ゆきです」
「ゆき…………いい名前だな」
「!母が……雪の日に生んでくれた時に、どうしても使いたかったって………」
「いい名前」
「はい。ほんとです」
「俺は久志。ただの久志。だから、二人きりの時は名前で呼んでくれよ、ゆき」
幸せに感じた。
誰かにあたしは受け入れられたんだ。
「きもちいいか?ゆき」
「は、い、気持ちいいよぉ…………久志さん………」
- FIN -