マニアック

王様ゲーム

男性三人はきよみ達と同い年で、一人がきよみのバイト先の知り合いで、残りの二人は凛花たちと同じように誘われたという。

「こんばんは、くにかずです。凛花とは同じバイト先で、今日の一応……幹事?ってことになるのかな、そんな感じです。よろしくお願いします!」

黒髪に長身、優しそうな男性がそう自己紹介する。

お兄ちゃん、という雰囲気で、彼がいるだけでその場が明るくなりそうな男性だった。

「えーと、シオヤです!盛り上げ役って感じなんで、よろしく~」

次に自己紹介したのは、自分で言う通り、その場のムードメーカーのような男性だった。

少し長めの髪は明るい茶色で、ふわりとパーマがかかっている。

伊織いおりです、よろしく……」

最後の一人は、それだけ言うとさっと座ってしまった。

「クールなんだよね、こいつ……でも本当は優しい奴だから」

くにかずが慌ててフォローするが、本人は視線をそらしていた。

性格は冷たそうだが、モデルでもやっていそうな綺麗な容姿をしていた。

こうして始まった合コンだったが、凛花は思いのほか楽しんでいた。

本人の言う通り、シオヤが場を盛り上げ、くにかずがたまにフォローを入れながらカラオケが続く。

流行の歌で盛り上がり、懐かしい歌で思い出話に花が咲く……最初は緊張していた凛花だったが、次第に6人は打ち解け、1時間が経過していた。

アルコールも入り、話も弾む。

そんな中、くにかずが机に置いてあったカラオケ店のキャンペーンのチラシを手に取り、6等分に破り始めた。

「せっかくの合コンだし、やっぱ王様ゲームは鉄板だよね?」

「おっ来たね~!やろやろ!」

すぐにきよみが賛同し、チラシの裏面に数字が書かれていく。

凛花は王様ゲームなんて……とも思ったが、まわりは乗り気のようだった。

アルコールも入っているし、少しくらいこういうこともいいかもしれない。

くにかずに促され、6人はチラシを引いた。

最初の王様はくにかずだった。

「なんかズルしたんじゃねーの!?」なんてシオヤに茶々を入れられながらも、「3番が初恋の思い出を話す!」なんてかわいらしいお題でゲームは進んだ。

「じゃあ次は……1番がセクシーポーズ!」

「えっ俺なんだけど!」

「シオヤセクシーポーズいけいけ~!」

「めっちゃセクシー!」

「シオヤくん面白すぎる!」

少し前まで初対面だったとは思えないほどに場は盛り上がり、凛花も頬が痛くなるほど笑った。

「えーじゃあ次は……」

次の王様が選ばれようとしている時、部屋の電話が鳴った。

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