(この声、どこかで…)
(どこかで聞いたことがあるような…?)
強い既視感はほんの僅かに圭佑を現実に引き戻したが、元々細かいことは気にしない性格。
その上オナニー中ともなればなおのこと、すぐにどうでも良くなった。
(まあいいや、多分前にもこの人の放送見たんだろ)
………
………
………
「せんせーこれどこに置けばいいっすかー」
昨夜のことなど気に留めることもなくいつものように過ごした翌日の放課後、資料運びを頼まれた圭佑は校舎の端にある理科室へと大きなダンボールを手にやってきた。
「奥の資料室にお願い」
はーいと軽い返事をして準備室の奥の扉を開ける。
暗くて狭くて古い、小さな倉庫のようなそこに入るのは初めてだったが圭佑には見覚えがあった。
(昨日の動画の背景…似てる…いやいや、まさかな…)
他の学校にも似たような部屋はあるだろうし、日本の何処かに同じような空間のある会社だってきっとある。
たまたま似てるだけだろう…そう思おうとした。
「置いたらすぐ出なさい。」
「はっ、はーい!すぐ出ます!」
やっぱり別人だ。
エロエロで甘い声の放送主と顔は可愛いくせにヒステリックで鬼みたいな性格の先生じゃ雲泥の差、月とスッポン。
でも体型は似てるんだよな…それにやっぱりこの資料室、見れば見るほど動画の背景と凄く…似すぎてる…
「何見てるの?用が済んだら出ていきなさい」
「あ…はい、失礼します…」
一度気になってしまうと仕方がない。
普段放送が始まる時間まで待って、確かめることにした
校内を適当にうろつきながら、一時間ほど暇をつぶした後、圭佑は足音を殺してそっと準備室に近づく。
そっと開けたドアの隙間から目を凝らすが誰もいない…そのままそっと準備室の奥、小さな資料室へと忍び寄る。
息を呑みながら扉へ耳を近づけた。
「あぁっ…」
くぐもった声が僅かだけど確かに聞こえた。
予想が当たったことに驚きながら心の中でガッツポーズ。
やっぱ俺って凄い。
途端に妙な万能感が溢れ怖いものなんて何もないような感覚に陥った。
教師の弱みを握るという学生には奇跡のような展開のおかげかも知れないが・・・
それまでカラカラに乾いていた口内に唾が溢れ出し、ごくりと喉を鳴らす。
「…はぁ…っ!ふぅんっ!あはぁんっ!」
薄い扉一枚隔てたその先で、先生が…性格きついけど学校で一番美人なあの
マジ?マジか…?
先生が…こんなところで…学校でオナニーしてる!
その瞬間に股間が痛いほど張り詰めた。
はち切れんばかりに血が集まり、ズボンを押し上げている。
何も考えられないまま、俺はドアノブに手をかけていた。
「っきゃあぁぁぁ!!」
そこにはあられもない格好の先生がいた。
相当驚いたのだろう、目を丸く見開き口もパクパクさせてそれでもなんとか体を隠そうと腕で多いながら後ろを向いた。
「きっ…き、着替え中です!出ていきなさい!」