私の手の中に、彼の体から絞り出されたとれたてミルクが輝いていた。
「すごい、いっぱい出たね」
「い、言わないでくださいよ、恥ずかしいです……」
「いいじゃん、感じてくれてたってことかな、って思って、嬉しいし」
「それなら、いいんですけど……」
彼は照れくさそうに言った。
しかし、おそるべしスケベ椅子。
彼が感じていることはすぐにわかった。
だって、手の中でめちゃくちゃペニスが暴れていたから。
そりゃもうすごかった。どくどく脈打っていた。
こんな風に攻めることができたのはなかなか楽しかった。
ご奉仕って、実はこっちから攻めるっていう意味合いもあるのかもしれない、なんて私は今日やってみて思った。
私の手とかで相手に気持ちよくなってもらうのって、思っていたよりも楽しいものだったし、幸せなものだった。
「こんな風に感じてる健くんの顔を見られるのも、私だけなんだなーって思ったらさ、とっても幸せだったよ」
果ててすぐだからか、座ったまま少し疲れた様子だった彼の上に乗るような形で座って、私はそう言った。
「は、恥ずかしいです!それに!」
彼は先ほどの疲れた様子から一変して、顔を真っ赤にして慌てたように言った。
「この向き合い方、めちゃくちゃエロくてまた元気になっちゃいます!」
「いいじゃん、元気になっても」
私はわざと、しおれた彼の肉棒を手で少しだけつついた。
「だって、ここってそういうことするための場所でしょ?」
「そ、そうですけど!」
部屋の空気に当てられたのか、なんなのかはよくわからないけれど、いつもより私の性欲も強い気がする。今なら何回戦だってできちゃいそうなくらいだ。
「ね、キスしよーよ」
「え、あ、う……」
私はそれだけ言って、彼の唇をふさいだ。
もちろん、舌もめちゃくちゃにかき回しながら。
彼の口の中を、私は舌で舐めまわす。
彼は歯並びもいいし、歯磨きも丁寧にできているのか、歯の裏まで舌触りが良い。
つるつるとしている。
そこも、彼をイケメンたらしめているところなのかもしれないな、と思うと彼も努力しているんだろうな、ということは伝わってきた。
くちゅ、くちゅ、と私たちの口と口が交わりあう音が部屋の中に響く。
シャワー室だからか、いつも以上にいやらしい音で響いている気がする。
これは癖になりそうだな。
私はキスをしながら、また彼の股にぶら下がっている肉棒を手の平で包み込んだ。
そして、何回か擦ると、再びそれは元気を取り戻していった。
「また大きくなってきた」
「咲さんが触ってくるからですよ……」
「嫌だった?」
「嫌なわけ、ないじゃないですか」
「あ、んんんっ!」
私は思わず声を上げてしまった。
彼が私の穴に指をいれてきたからだ。
彼の細くしなやかな指が、ちょうど私の感じるところを刺激する。
こういうところが、体の相性がいいっていうことなのかな、なんて私は思ってしまう。
それくらいに、彼の指が気持ちいい。
自分だと、結構頑張らないとそこまで届かないから、こんなに気持ちよくなれるのは彼の指だけだ。
そんな気持ちよさなのだから、思わず声が漏れ出てしまったって仕方がないだろう。
「気持ちいい、健くん……」
「よかったです」
私たちは、お互いの大切なところを、手で慰め合った。
二人とも、決して乱暴には扱わず、丁寧に触りあった。
前触りあったときよりも、気持ちいい気がする。これは気のせいだろうか。
いや、きっとそうじゃない。
前よりも、気持ちが高まっているからだ。
きっとそうだと、私は思う。
この前は半分勢いみたいな部分もあったけれど、今日はそうじゃない。
二人が、したいと思ったから、こうしてここへ来ている。
そして、こうして二人で気持ちよくなる。
それが、幸せじゃないはずは、なかった。