(ああん…すごく大きい…)
愛花は、獣にいとも簡単に奥まで入ってこられて、思わず背中を弓形に反らした。
全身に甘美な快感が波を打って広がる。
「大丈夫?痛くない?」
「うん、大丈夫だよ」
「そう?じゃあ、動かすよ」
愛花は頷いた。
颯は小刻みにゆっくりと、腰をピストンさせる。
その小さく、速さの一定なピストンに、淡い快感がしっかりと、下腹に溜まっていく。
濡れた果肉の、一番熟れて敏感な部分に獣の固く熱い胴体が常に当たっている。
颯は腰を器用に動かしながら、愛花に覆い被さり、喘ぐ彼女の頭を下から支えて、深く唇を重ねた。
愛花は、この時程に幸福というものを感じた事はなかった。
「愛花さん」
「愛花で良いよ」
「うん…愛花…腰、早くしても良いかな?」
「うん、もっと激しくして」
獣は、果肉を穿ち、奥にある種子を力強く突き上げる。
(あぁ…気持ち良い!)
パンッパンッパンッ、と颯と愛花の腰と腰がぶつかり合う音と、溢れる愛の果汁を獣が突き抜ける水音が、
交わる2人の熱い吐息に包まれて、淫靡な筈の音が如何にも美しい音色に変わる。
「愛花、バックしよう」
「うん」
愛花は四つん這いになり、お尻を後に突き出すと、颯の腰が一瞬の内に押し込まれた。
「あああん…んンッ…!」
正常位よりも、更に奥に入って来る。
「動かすよ」
そう言って颯は、腰をピストンさせた。
後ろから聴こえる颯の息遣いと比例して、彼の腰は段々と敏捷になってゆく。
果汁が突き上げられる毎に、颯の股間辺りに撒き散らされる。
愛花の果肉が、呻いて脈を打つ獣をキュウキュウと締め付けていく。
下腹部には、欲情に淡く燃え上がる沢山の淫粒が、はち切れんばかりに山積みになっていた。
(やばい…イク…!)
「あっ、イク!愛花!」
「ああんっ…!あん!」
彼の獣は、コンドームの中で熱く白い液体を、激しい
愛花の腰は、沢山の淫粒の大爆発に伴い、彼を咥えたままドクンドクンと跳ね上がって、全身が激しく痙攣した。
愛花は頭に、鋭い快楽が天辺を貫くのを感じた。
そして2人の熱い初夜は、束の間、厳しい氷河期へと向かう。
「早く着替えないと!」
2人は急いで布団の上に散らばったジャージを手繰り寄せ、素早く着替えると、軽いキスをしてから、別れた。
「ただいま?。あれ、愛花ずっと部屋に居たの?」
「ん?うん…」
「何で布団がこんなにクチャクチャになってるの?」
「え?あ、ちょっとストレッチしてて…」
「ふーん、あ、そうだ。愛花聞いてよ、みのりがねぇ…」
「おい、遅せぇよ!何してたの?」
「いやさぁ、ちょっと腹痛くなって…ほら、これ」
「おう、ありがとう。全くお前は…」
………
………
………
今、2人はそれぞれ互いの家庭を築いて、日々を過ごしている。
愛花は2年前に3つ年上の会社の先輩と結婚をし、颯は既に3人の子供がいる。
2人は卒業して以来、一度も会っていない。
しかし、時折2人はあの夜の事を思い出しては、学生時代の、甘美な思い出に浸るのである。
2人だけの、秘密の思い出に…