しばらくすると、秀晴君がタバコを吸いたいからと部屋から出て行った。
私は時間を置いてから、彼を追いかけた。
田舎の家は広いので、庭に面した廊下にも換気扇がつけられている。
秀晴君はそこでいつもタバコを吸っていた。
廊下の曲がり角近くに秀晴君がいるのが見えたので、声をかけようとしたらお姉ちゃんの声がした。
私は廊下の曲がり角に隠れる。
「じゃあ、独立するんだ?」
「ああ。今年中に独立するつもり。そういや、…石村とは別れたのか?」
「まだ」
「あいつ、まだ〇会社の開発部門にいるのか?」
「うん」
2人の会話を聞いて私は焦った。
秀晴君の独立なんて知らないし、何のつもりであんな大きな会社を辞めるんだろう?
自営と結婚なんて嫌。
でも、石村って誰だろう?〇会社って最大手の会社で、開発部門なら技術者だよね?給料もきっといいんじゃないかな?
お正月が終わってから、私はこっそり石村さんについて調べた。
石村さんが働いてる会社には、私の知り合いがいる。
彼女に頼んだら、あっさり石村さんのことが分かった。
本当に開発部門の技術者。
私は石村さんに接触を図った。
………
………
………
お姉ちゃんのことは内緒にして、私の魅力を最大限に引き出しながらアプローチしたらあっさり私に靡いた。
石村さんの実家はアパートやマンションを多数経営しているうえに、駐車場の管理もしてる。
石村さんは長男だから、いずれそれらを引き継ぐとのことだった。
私はセレブ奥様になれる。
嬉しくて仕方ない。
私は石村さんと速攻で体の関係を持った。
ホテルに入ると、石村さんはややぎこちない動きになる。
それまではいろんな女とセックスしてきた。中には女優もいた。と言ってたけど。
本番になると恥ずかしがるタイプなのかな。
ベッドに腰掛けたとたん、石村さんはいきなり私を押し倒した。
「え?」と思う間もなく、石村さんは乱暴に私の服を脱がす。
あまりに乱暴で、私のブラウスのボタンが1つ飛んだほど。