「こら
「んん-‥もう少し寝かせてよお母さん‥‥‥」
あたしは
つい先日のテストであたしは初の赤点を取ってしまいました。
………
しかも体育での赤点。
今まではギリギリやれて単位はもらっていたのですが、
体育の講師が変わってからは厳しくなり、
あまりにもやばいあたしみたいな人は追試をしなければならなくなったんです。
そんな新しい講師は、
めちゃくちゃビジュは最高で女子から大人気。
まぁ‥‥‥確かにイケメンだし若いし‥‥だけどなんでかときめかないんですよね。
「ほらほら華!」
回想してれば母さんうるさい‥‥‥。
あたしは観念して起き上がって、母さんが作ってくれた朝ごはんを食べに向かった。
‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥
家を出て、学校を目指すあたしは孤独だ。
何が悲しくて土曜日に学校に行かなきゃないのか‥‥。
憂鬱に歩いていると、後ろから車の音がした。
歩道が狭いこともあって、なにげに振り返る。
そこには体育教師の安堂春樹先生がいた。
「え??」
「おはよ、安住」
「安堂先生?今出勤ですか」
「‥‥‥今日はいい天気だ」
「なにはぐらかそうと‥‥‥」
「車に乗れ。いいところ連れてってやる」
「?」
あたしは言われるがままその話に応じて、
開いたドアに乗り込んで、先生と二人っきりになった。
「ところでいいところってどこですか?」
「運動できる場所」
「?もしや‥‥ラウンドワン!?」
「いや違うな」
あたしはいつも学校で見てる安堂先生とは何かが違う気がした。