私、
子供はいない。
できるはずもないけど。
結婚3年目からレス。
それと同時に夫婦の関係も冷えていった。
夫の
いつから不倫しているのかは分からない。
分からないと言うよりも、私は夫に興味がない。
女がいることを知ってもショックには思わなかった。
それなら離婚をすれば良さそうなもんだけど、離婚のために動くのも面倒くさい。
盆と正月みたいなイベント時に仲良し夫婦を演じておけば、親は勝手に安心してくれる。
私は私、和史は和史で自分の好きなことをして日々を過ごしていた。
「この年になると、そういうのって余計に疲れるよね」
会社での昼食時の食堂。
仲良くしてくれている先輩の春香さんが、そう言った。
「そういうのって、セックス?」
私が尋ねると、春香さんが
「そう。うちの亭主、性欲が強くて30超えてんのに元気元気」
春香さんが笑う。
「そうなんだ。うちはレスだからなあ。そういう悩みは逆に羨ましい気がするけど」
そう返す私に、春香さんが苦笑いする。
「ごめん。奈緒ちゃんとこの事情、忘れてたわけじゃないんだけど」
「いいよ、気にしないで。私も春香さんの話の腰を折るようなことしてごめん。それに、私も今の状況は楽だし」
「奈緒ちゃんはしたいと思うことないの?」
「実は私、旦那が初めての人なんだけどさ。初夜からもう、散々だった。痛いばっかりで、気持ちよくないし。したい時は1人でした方が楽」
「失礼を承知で聞くけど、奈緒ちゃんの旦那さんはヘタクソな人?」
「どうなのかな?旦那が初めてだから分かんないけど、ヘタなのかもしれない。それから何回かしたけど、いつも痛いばかりで気持ちよさも何もない。感じてるフリをするのが苦痛でたまらなかった」
「それは確かにキツそう」
私の渋い顔に春香さんは