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あたしに限界が来ていた。
仕事に病院への面会に、あたしは気が付いたら病院で倒れていた。
目を覚ませば兄がいる。
そう思って重いまぶたを開いた。
「起きた?
葵はあたしの名前。
呼んでいたのは兄ではなくて、勇太さんだった。
がっかりしてしまう。
「…………兄は」
「まだ眠ってるよ」
「そう、ですか…………」
「いい加減諦めなよ。
“死”
いなくなる?
兄がこの世から?
二度と会話も何も出来ないの?
「いや、です。兄には幸せになってもらわないとダメなんです」
「じゃぁ幸せの道を教えてあげる」
「え?」
耳元で
「病室の外に出て」
と言われた。
不思議ながら病室から出ると、勇太さんはにこにことして待っていた。
「あの。兄の道とは…………?」
「葵ちゃん。俺のセフレになって」
「へ!?」
「そうしたら圭介の入院治療については俺が責任持つから」
「なんで」
「この病院は俺のじいちゃんのなんだ。だから俺が言えば従ってくれる」
「そ、んな…………」
「まず今日一回目。相手してくれるよね?」
あたしの目の前に手を差し伸べる勇太さん。
あたしは…………
あたしに…………
出来ることはなんでもしよう。