「…んんっ、あ、イク!」
ペニスが抜かれて、コンドームの中には大量の性液が溜まっていた。
それはとても熱くって、筋肉質な直樹に非常に似合うような元気そうな色と液質をしていた。
直樹はコンドームを軽く縛ってそれをゴミ箱に放り投げると、息を切らして横たわっていた菜摘の横に体を投げ出した。
菜摘は直樹の太くて長い腕の中に頭を埋めて、彼に上目遣いで笑いかけた。
………
………
「どうだった?気持ち良かった?」
「うん。すごく気持ち良かったよ。菜摘は?」
「わたしも気持ち良かった」
しばらく二人は沈黙して、静かな夜の音に耳を澄ませていた。
「ねぇ?直樹。わたしさ、考えてたんだけどさ、どうだろう?」
「どうだろうって、何が?」
「エッチのことなんだけど、その、今日みたいに普通にするのもさ、全然気持ちいいんだけどさ、もっとその、刺激強めというのかな?普通ではない感じというか、その…」
「SMとか?」
「んー…まぁ、そこまでいかないんだけどさ。何だろ、えっと、それもいいんだよ。でも、なんか違ったエッチ、ホントに普通ではないエッチをしたいというか…」
菜摘は上手く喋られなくて黙ってしまった。
直樹はボンヤリと薄暗い天井を見つめながら、物思いに沈んでいた。
………
………
「AVとか見る?」
菜摘はいきなりこう言い出した。
直樹は少し驚いて、その菜摘の口調からどう答えたものか迷ってしまった。
責められているのか?だけど話の脈絡としておかしいよな?きっとエッチについて聞くために俺に聞いてるんだよな?どうなんだ?
「んー…まぁ…うん…」
となるべく表情を変えないようにして、
直樹は動揺して、鼓動が少し大きくなるのを感じて、少し怖くなった。
菜摘の顔はちょうど直樹の胸の辺りにあったのだ。
しかし菜摘自身は何にも気付いていなかった。
直樹の
直樹は更にビクッとした。
何故か心の内を悟られているようで、段々と不安になってきた。
別にAVを見ることは悪くないよな。そうだよ、別に浮気してるわけじゃないんだから…
「明日も早く帰って来るのかな?」
「え?う、うん」
「そうか」
直樹はチラッと菜摘の方に目を向けたが、その表情からは何にもわからなかった。
「コスプレとかどうかな?例えばナースとか、先生とかのさ、要するに、AVに出てくるみたいな」
直樹はおぼろげに一週間程前に見たAVのことを思い出した。
それは家庭教師に童貞が調教されるというやつだった。
「あー、それも良いかもね」
と言いながら、直樹は妙にワクワクするような気がした。
二人は再び黙って、気付くと夜の静けさに包まれて、眠りの中に吸い込まれていた。
………
………
………