マニアック

ドウテイ先生の秘密

わたしは前から溜まっていた宿題をやって、かみの毛も黒く染めた。

バスケ部の先ぱいも同級生のあいつもバイト先の大学生とも、もう会わないで

先生がドウテイを卒業するまでにわたしがそれを奪ってやるんだから!
………

………

………
あれから一ヶ月が経った。

わたしはほんとうに誰ともセックスをせずに

毎日、きちんと優等生を演じて、

実際に真面目に通って、

先生を口説いていると、

今日、放課後に呼び出されて、

とうとう先生の家に招かれた。

この一ヶ月間

わたしは彼らから来るLINEや廊下ですれ違った時の挨拶を徹底して無視した。

はじめの一週間はとてもつらくてつらくて、

性欲は燃え上がるし度々先ぱいから電話が来たりもした。

「ねぇ、どうしたの?俺のこと嫌いになった?

ねぇ?どうしたのさほんとうに。なんで無視するの???」

もちろん人としての倫理を破ることに対する苦痛もあった。

しかし世界の天才は、常に倫理的に何かしらの欠如があって、

彼等はひたすら自分の野心を信じ続けてやっと成功したのだから、

こんなことにヘキエキしてはならないと思って、何とか耐えた。

廊下でたまにすれ違うと、彼等は必ずわたしを睨みつけた。

わたしは辛かった。

ほんとうは彼等と一緒に遊びたかったし、こんなことはしたくないのに

しかし先生のドウテイを誰にも奪われたくはなかった。

昔からそうだった…わたしは負けず嫌いで

負けてそのまま負けっぱなのはジブンの心がゼッタイに許さなくて

相手が誰であっても、何度でも勝負を挑んで最後は必ず勝った。

こういうわたしの一種の性癖は、もう治しようがなかった。

先生の家はわたしの予想を遥かに超えるくらい大きな家だった。

まさしくゴウテイで

何だか先生が恐ろしく強い存在に思われた。

わたしは先生の後に続いて中に入って

やはり大きな玄関があって、そのままリビングに案内された。

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