「一ノ瀬さん、起きろ」
あたしはあの日の夢を見ていた。
しかし、男性の声で目が覚めた。
そこには村城さんがいる。
「寝坊?」
「な!え!ん!?」
「早くしないと‥‥‥置いてくよ?」
あたしは時計を見た。
本来ならば午前8時に出勤だが、現時点では8時半を優に過ぎていた。
というかなんであたしの部屋にいんの!!??
「すみません!すぐに‥‥‥」
「大丈夫。俺が車出すから」
「は‥‥‥い」
「だから、これに着替えて」
そういって渡されたのはきれいな淡いピンクのワンピース。
「これで直接会場のパーティに行けるから」
「すみませんでした‥‥‥」
「ま、いいや。早く着替えてね?」
そういう割には動かない村城さん。
あたし、着替えるんだけど‥‥‥
なんで黙ってにこにこといるの????
「早く着替えて。大丈夫、見てないから」
「恥ずかしいから!」
「いいから早くしないと置いてくよ」
「なっ‥‥‥」
「寝坊の子には拒否権はありません。」
「‥‥‥はい」
仕方なくあたしはゴソゴソと着替えた。
極力肌を見られないようにするために細かい動きになる。
それから着替えてあたしたちは現地に向かった。
新規の契約を結ぶために。
‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥