「………泣かないの」
「ごめんなさ……あたし、今日の今まで不安だったのかもです」
「うん」
「だからこの曲を聴いて、頭撫でてもらって、あたし……よかった…………」
「よく頑張ってるよ」
「う~~そういうこと言わないでください!余計止まらない………っ」
「それでいいんだよ。よく頑張ってるな」
嬉しい。
心の底から嬉しい。
見知らぬ人に、こうやって認めてもらえて………
あたしは今日は幸せな日なんだ。
「あのさ、名前は?」
「あ、八雲結弦(やくもゆずる)です」
「ゆずちゃんは偉い。一人で頑張ってて、よく俺のところにたどり着いたね」
「!!」
「ご褒美あげるよ」
静かなヒーリング的なアリアナグランデのPOVが流れる中、
“ご褒美”としてキスをくれた。
「…………!?」
「俺は鈴村奏多(すずむらかなた)。今
そういう鈴村さんは、あたしを床に押し倒した。
「あのっ」
「感情なくするんじゃないから。君がここにいる証拠を俺に刻みたい」
そう言われれば何も言えなくなる。
抵抗すらできなくなった。
そのまま鈴村さんは噛みつくように唇に吸い付いた。
ムードを出してくれるアリアナグランデの曲に感謝しながら、
あたしは鈴村さんを求めた。
ちゅ、ちゅ、とキスをしながら、
鈴村さんはあたしの着ていたブラウスのボタンを外している。
あたしは答えることに必死でキスに集中していた。
外し終ると、出てきたブラジャーをいとも簡単に外して、胸を揉む。
外側から内側へ。
マッサージをしているかのような愛撫。
キスだけで感じているあたしの胸の突起は、ピンと立っていた。