マニアック

元保育士女王様、私がよちよちしてあげる

私はたまたまその種の2人の関係者と交際して、その屈折した性を見てきたのです。

 

風俗の仕事を辞めた後、いくつかのアルバイトを転々としていたのが、24歳の時。

私は昼間会社勤めする傍ら、週に2回だけ3、4時間程度スナックで働くようになった。

店はカウンター10席、ボックス4シートの小さい店で、初老のマスター1人と私と同じ
アルバイトが3人いた。

「えー、いつからこの店に入ったの?」

常連の大野純之介おおのじゅんのすけが1次会の後に同僚とやって来て、軽い調子で私に聞いてきた。

「初めまして。美香みかと申します。入店してもう半年になります」

「半年?俺たち先週来たけど、その時はいなかったよなあ。何曜日が勤務?」

「火曜日と木曜日です」

「じゃあ、今日はラッキーだったな。これからはその曜日だけにするから。美香ちゃん」

「ありがとうございます」

私は大野さんを見た。

身長は183センチくらいの痩せ型で、紺のスーツを着ていた。

一重まぶたの垂れ目で薄い印象の顔立ちだったが、とても声が低く、細く長いキレイな
手をしていた。

私、この男と関係するかも・・・。

その時、直感的にそう思った。

 

2度目の大野さんが店にやって来た時、大野さんは早速、私のメールアドレスを教えて
ほしい聞いてきた。

当時、まだガラケーが全盛。

連絡は電話とメールが主流だった。

『愛してる』

最初に来たメールだ。

お試し感たっぷり。

大野さんは私より10歳年上で34歳。

もちろん、既婚者で3人の子持ちだった。

でも、毎晩飲み歩いているようだった。

『美香ちゃん、今日はお店ですか?』

『声を聞きたいなあ・・・』

『店に行ったら、客が誰もいなかった。今1人で飲んでます』

そんなメールが毎日送られてきた。

24歳の私には、大野さんがとても大人に見えた。

 

「美香ちゃんはチビだし、痩せてて胸もないから色気もない。でも、初々しいんだよな」

口説き落とすための口実・・・、というのはわかっていたが、彼のマメさに悪い気は
しなかった。

そして、何よりも私が一番引かれたのは、大野さんの職業だった。

公務員だが、一般人が違反や罪を犯さない限り、まず関わることがない職業なのだ。

それ故に、大野さんをもっと知りたくなり、2人だけで会うようになった。

いつもアルバイト後の居酒屋で・・・。

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