恋のはじまり

あの人の香り…

彼のそれは圧倒的な存在感で、ぎゅうぎゅうと締め付けてしまうのが自分でもわかる。

「ん……はぁ、カナの……すっげぇきもちい……かわいいな」

ずんずんと肉棒を抜き差ししながらむき出しになったクリトリスに親指を這わす。

「ひゃああっ!」

さんざんいじめられて敏感になっていたクリは親指の腹でくるくると撫でられるともっともっととねだるように痙攣した。

「くっ……!ホント、クリ好きだな……!」

「やぁああ!だめ、一緒だめぇ!」

ナカが気持ちいのか、クリなのか、もうどっちの快楽なのかがわからない。

ぐりぐりといじめられていた場所が変わり、肉棒が奥を目指してきたとき、じわじわとくすぶっていた膣への刺激が我慢できなくなり、きゅんきゅんと容赦なく疼く。

「はぁ、はぁ……もう、イっちゃう……!」

タケル君も限界が近いのか、動きがどんどん早くなる。

ナカの疼きがたまらない。目の奥がちかちかする。

「俺も、もうイク……!」

ずんずんと押し込まれたとき、それは体の奥でびくんと跳ねた。

丁寧にほぐされたことで、これまで知らなかった領域まで暴かれてしまう。

固いそれで突き上げられるたび、全身に甘くて強烈な快楽が走る。

「ひっ、あう!イク!」

これまでよりも強い絶頂……激しすぎる余韻はいつまでも体を痺れさせ、ずっとイっているみたいだった。

身体はだるいのにその疲労さえも愛おしい。

タケル君の匂いに包まれながらうとうとしていると

「ひゃ、ふああ……!や、今動いちゃだめぇ!」

イったのに、体の痙攣が収まってなのに。

タケル君は落ち着き始めた疼きを寝かさないようにゆっくりと動きはじめる。

ゴムからあふれた精液がこぽりとこぼれたのを感じた。

「カナは俺の匂い、いい匂いって言ってくれるけどさ……セックスしているときのカナに比べたら、足元にも及ばないと思うよ」

え、と聞き返すよりも早く、体を反転させられる。

後ろからずんっと付かれたのは、向き合ってしたときとは違う場所で、ごりっと押し上げられた場所が切なくなる。

「も、また、イっちゃうからぁ!」

懇願もむなしく、つんと自己主張しているクリをはじかれる。

「あああっ!も、きもちいいの、こわい……!」

ピンと立たされた乳首も、いじめぬかれたクリも、亀頭でかわいがられているナカも。

全部全部、タケル君に触って触ってっておねだりしているように疼く。

「怖くねぇ、よ……はっ……また、イきそうか……?」

「イク!イっちゃう!」

互いの息を交換し合わないと生きていけないかのように、私達は互いの香りで肺を満たす。

 

どろどろにとろけていく快楽の渦の中で、私達の香りは一つになった。

- FIN -

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