「…………」
図星を突かれて、何も言葉が出なかった。
確かにそんな風に考えていた自分がいた。
悪いことではないと思うけれど、なんだか自分がはしたない女であるような気がして――
「それは……まぁちょっと考えたりもしたけど……」
「やっぱり。透はさ、透のままでいいんだよ。余計なこと考えずに」
そう言って、彼はグラスの麦茶を飲み干した。
私は私が感じるままでいいのだと言われて、ちょっとした安堵を覚えていた。
はしたない女だって、そんな事で嫌われたらどうしようかと、頭の隅をかすめていたからだ。
「だからそのまま、エロさを極めてくれ」
「やっ、やだよ!なんで極めなきゃいけないの!」
「俺のためかなー?」
彼はそう言って、笑った。
その笑顔を見た時――少なくとも彼の前では、少しばかり大胆であってもいいのかなと思えた。
夜も更け、また新しい1日を迎える準備が始まる。
私は彼のベッドに潜り込み、その温かい体温を感じていた。
そして一言、彼に言ってみた。
「――ねぇ、もう一回、する?」
- FIN -