マニアック

メンタル崩壊クラブ

「ラッキー!こっちにも女の子いたぁ」

「あっちもこっちも、もう大勢が群がってて無理だなって諦めてたけど、

こんな奥の方にも女の子がいるなんてすっげぇついてる?!」

「な、なに、なに言って……」

尋常でない様子の男たちに囲まれ、私は怯えから顔を青くした。

再び、ブシュッとスモークがしぶく。

「あ゛あ゛??!キたキた来たぁ????!!」

目の前の男が雄叫びを上げて、顔を上向かせる。

大きく口を開けて、より多くスモークの雫を取り込もうとジャンプした。

「おお……今日もキくなぁ!

これ???っていうチンキを煙にして出してんだってよ。

知ってる????って」

「し、しらな……」

私を持ち上げたまま、背後の男が楽しそうに囁いてくる。

「牝馬用の発情誘発薬だって。ウケるだろ」

「男にも女にも効果覿面こうかてきめんなのが特に傑作!」

喉を押し潰すような気持ち悪い笑い声を上げながら、

目の前の男が私に向かって手を伸ばしてくる。

「い、いや……っ!」

その手は無遠慮に私の乳房を鷲掴み、

ぐにぐにと形を変えるように揉みしだく。

顔を強張らせて拒絶するが、私の声は爆音で流れるミュージックに掻き消されて、

誰の耳のも届いていないようだった。

「ひぃっ!?」

ーーいや、そもそも聞く気などないのか。

右側に立っていた男が、

私の太ももの間に手を差し込んで、下着ごと秘処を擦った。

「やだっ!いやぁッッ!!」

強制的につま先立ちさせられている状況では

満足に抵抗することも出来ない。

視界が涙でにじんだが、きっと今は泣いたって何も解決しない。

私は男たちを睨みつけて口を開いた。

「離してください。これは犯罪ですよ。

危険な薬の使用は薬機法違反ですし、私に対してのこの行為は強制猥……」

言い終わらぬうちに、私の身体がぐぅぅっと反り返る。

乳首を摘まれたのだと気付いたのは、全身を戦慄わななかせながら脱力した後だった。

「びんびんにおっ勃てた乳首摘まれてアヘ顔さらしながら、よく言うよなぁ」

ぎゃははは、と周囲の男たちが下品な笑い声を上げる。

それを白濁とした意識の中で聞きながら、

私は弛緩ちかんした身体を背後の男に預けて呆然としていた。

「あ?あ、下着も俺の手をびちょびちょになっちゃったよ」

「この子、このクラブ来たのハジメテなんだってさ。

だからよーく効いてんだよ、スモークが。許してやりなって」

聞き覚えのある声を耳にして、意識がゆっくりと鮮明になる。

そこには、先ほど明滅するランプについて教えてくれた男がいた。

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