中は至って普通の風呂だと思ったが、ジェットバスがついている。
少しもったいないけれど、湯を張る時間が惜しくて使わなかった。
「あ、上がったよ。交代」
「おう」
彼がシャワーを浴びる。
私は濡れた髪を備え付けのドライヤーで乾かしながら、チラチラとベッド周りを気にしていた。
試しにベッドに大の字で寝てみる。
鏡にうつる自分を見て、なんとなく不思議な気持ちになっていた。
「お待たせ」
シャワーを浴び終えた彼が戻ってきて、ベッドの端に腰かけた。
まだほんのりと香るシャンプーの匂いに、少しだけくらくらするような気がした。
「こっち、向いて」
その言葉に、私は起き上がって彼の傍へ行く。
触れあった唇はほんのりと温かく、より一層シャンプーの香りが濃く感じた。
「んっ……」
彼の手が、私の手を握る。
手を繋ぎながら、キスはどんどん深く絡み合うように発展していく。
ふとこぼれる吐息が、私達の気持ちをどんどん高めていった。
ぽすっ、とベッドの上に押し倒されると、彼は真っ先に私のガウンの紐を解いた。
下着も何も身につけていなかったため、あっという間に生まれたままの姿にさせられる。
「ちょっと、早っ……」
羞恥心に思わず身体を隠そうとするが、彼に制される。