不倫・禁断の恋

年下の上司と…

私、三島奈緒みしまなおは結婚5年目の30前半の女。

子供はいない。

できるはずもないけど。

結婚3年目からレス。

それと同時に夫婦の関係も冷えていった。

夫の和史かずしには、私以外の女がいる。

いつから不倫しているのかは分からない。

分からないと言うよりも、私は夫に興味がない。

女がいることを知ってもショックには思わなかった。

それなら離婚をすれば良さそうなもんだけど、離婚のために動くのも面倒くさい。

盆と正月みたいなイベント時に仲良し夫婦を演じておけば、親は勝手に安心してくれる。

私は私、和史は和史で自分の好きなことをして日々を過ごしていた。

「この年になると、そういうのって余計に疲れるよね」

会社での昼食時の食堂。

仲良くしてくれている先輩の春香さんが、そう言った。

「そういうのって、セックス?」

私が尋ねると、春香さんがうなずいた。

「そう。うちの亭主、性欲が強くて30超えてんのに元気元気」

春香さんが笑う。

「そうなんだ。うちはレスだからなあ。そういう悩みは逆に羨ましい気がするけど」

そう返す私に、春香さんが苦笑いする。

「ごめん。奈緒ちゃんとこの事情、忘れてたわけじゃないんだけど」

「いいよ、気にしないで。私も春香さんの話の腰を折るようなことしてごめん。それに、私も今の状況は楽だし」

「奈緒ちゃんはしたいと思うことないの?」

「実は私、旦那が初めての人なんだけどさ。初夜からもう、散々だった。痛いばっかりで、気持ちよくないし。したい時は1人でした方が楽」

「失礼を承知で聞くけど、奈緒ちゃんの旦那さんはヘタクソな人?」

「どうなのかな?旦那が初めてだから分かんないけど、ヘタなのかもしれない。それから何回かしたけど、いつも痛いばかりで気持ちよさも何もない。感じてるフリをするのが苦痛でたまらなかった」

「それは確かにキツそう」

私の渋い顔に春香さんはうなずいた。

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