恋のはじまり

忘れられなかった人

「み、見すぎ……っ!」

「……だいぶ育ったよな……ちょっと感動してる」

 まるで直診の掌で覆われたかと思うと、

むにっと弄んでくるからなんだか笑えてしまった。

 縁はそのまま胸の頂を口に含む。

ちゅっちゅっと優しく吸われると、なんだか赤ちゃんみたいで可愛い。

頭をなでてあげると甘えたような視線で見上げきた。

「……っ!」

(胸、好きなのかな?)

 知らなかった一面にどきりとしたつかの間、

れろ、と伸ばした舌が胸の輪郭をつぅっとなぞり、

もう片方の乳首がきゅうっと爪でつねられた。

「あんっ! や、急にぃっ!」

 舌でアイスでも舐めるかのようにとろんとたっぷりの唾液で甘やかされるのに反し、

カリカリと音を立てていじめられる。

同時に施される刺激は、くすぐったいようでちくんとした痛みが走り、

思わず腰が疼いてしまう。

「あぅ……っ! 胸、ばっかりぃ……っ!」

「ん……でも、嫌じゃないだろ?」

 ――ぢゅぼっ! ぢゅっ! ぢゅるるるるっ!

「あぁんっ!」

 突然、緩急をつけて乳首をきつく吸われ、

じわじわと疼いていた快楽が一気に押し寄せる。

むず痒い手前で甘やかされていたせいで、

敏感になっていた乳首は刺激を従順に拾ってしまう。

 激しいそれについ弓なりになってしまうが、

それを許さないとばかりに吸う力が強くなるからさらに刺激を享受した。

「だめぇええ! 強いよぉ!」

 もう一方の、指で弄ばれている乳首は、きゅぅううっときつく抓られるたび、

血が沸騰するような感覚に陥る。

 くまなく施されるそれらに、身体の奥がじゅんと潤むのを感じた。

「ん……感じやすいんだな、香澄」

 にやりと笑った縁は舌先で優しくかすめるように乳首の先端を転がす。

再三いじめられて固く勃起した乳首はその程度の刺激ではすでにもどかしくて、

焦らされている感覚に思わず膝をすり合わせた。

「あぁ……もぉ、意地悪……っ!」

「強い方が好きか?」

 へぇ、と観察するように見下ろされると、

恥ずかしさがより勝って顔を隠したくなった。

 胸の頂はもちろん、耳と、首の当たりにふぅっと息を吹きかけられると、

ぞわぞわと全身を駆け巡る何かに溜息をつかずにいられない。

じわじわとあぶるように私を高めていくそれは、

あと少しで理性さえも溶かしてしまう程の熱が渦巻いていた。

 縁は私の脚の中心に手を伸ばし

最後のとりでとなっている下着をするりと脱がしてしまう。

「そ、そんなに見ないでよぉ……!」

 必死で脚を閉じたけれど、そんなことを許してくれるほどやさしい彼ではなくて

「すげぇ……エロくて、可愛いよ、香澄」

 私の膝裏を掴み、大きく足を開かせた。

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