後は、堕ちるだけ

「あ……ふ、うん……あついの、気持ちいい……」

「沙也加さんも、期待してくれてるのが伝わって嬉しいです」

「あんっ！」

「まだ触っていないのに、クリトリスがコリコリですね。あー……いじめたくなる」

　私の愛液を掬（すく）い取るような腰つきで、優吾さんはえっちなお汁をペニスに塗りつける。

　入り口をぐちぐち擦られるだけでも気持ちいいのに、ペニスのストロークと浮き出た血管の凹凸も使って、角度を変えてはゆるゆるとクリトリスをぐりぐり嬲（なぶ）る。
………

………
「ひぅっ！　はぁ、あんっ！　こりこり、やぁ……！」

「感じちゃうところでエッチなキス、しちゃいましたね。口はまだなのに」

　指とは違う、信じられないくらい熱くて卑猥なもの。

　性器同士を擦り合わせるという原始的な行為はもどかしいくすぐったい。

でも、しつこくクリトリスや入り口を責められると身も心を満たしてくれる。

　――くりゅんっ！　こちゅこちゅっ！　
　
「あんっ！　あっ、こりこり、やぁんっ！　いっちゃいそう….」

「キス、しましょうか」

「ん、したい……早く……」

　もっともっと、優吾さんと交わりたい。

キスだけでこんなに胸がときめくなんて……！

　ぷにゅん、と優しい音がするくらい、触れ合うだけのかわいいキス。

ちゅっちゅっと啄み、やがて角度を変えて、はむはむと感触を楽しむように深くなる。

「ん、はぁ……」

　息を奪い合うように舌を絡め、ちゅうちゅうと吸い付いてみれば、それを叱るように上顎（うわあご）をなぞられた。

　――にゅぷ……ちゅっちゅ……ちゅこちゅこっ

　柔らかい舌を尖らせ、歯列をなぞっては上顎をゆっくりと撫でるように這わす。

ぞくぞくと迫り上がってくる何かに目の奥がチカチカした。
………

………
「ふ、ぁん……うむ、むぁっ……ふっ」

(なにこれっ……キスってこんなにきもちいいの？！)

　少し痒くなるような、うずうずとさせる刺激に腰がひいてしまう。

逃すか、とばかりにぢゅうっと舌をきつく吸われ、舌裏を舐められ……

もう一生分のキスをしてしまったかのような気分に陥る。

　粘膜の触れ合う音が激しくなり、ぼうっとしつつある私の頭が羞恥で覚醒した。

「や……ふ、キス、すごい……」

　はふはふと呼吸を整えようとする私を優吾さんは余裕綽々（よゆうしゃくしゃく）な様子で微笑む。

この人、もしやSっ気があるのかも……。

「キスだけで蕩（とろ）けちゃうなんて、男冥利（みょうり）につきます。続けてもいいですか？」
………

………
「う、ん……！　お願い」