学生もの

独占欲

帽子を深くかぶって、身長は高め。

「こいつ、俺のものだから」

サッとあたしの手を取って足早に霧島くんから離れる。

「‥‥‥」

「なに、不服か?」

「いや、似合ってるよ。学生服」

それはつばさだ。

「うーん。これはコスプレになるんかな?」

「さすがに14歳も下の制服着てればコスプレじゃない?」

「冷たいなー。これから良い事し合う仲なのに」

「はいはいロリコンロリコン」

「まぁね。年下すぎる年下の美琴みことに惚れちゃってるし、堂々としたロリコンだ」

「それをハッキリ言えるのがすごいわ」

あきれているわけでもない。

ただただ、うれしいんだ。

けどつばさは知らない。

なんかあればすぐなんでもかんでも言ってるし、

本気で好きと言う愛の告白もしないないし、

つばさと幸せになれるなんて思ってる幼くて小さいあたしを。

本当は話したいよ。

けど、あたしには無理なんだ。

言えない。口にできない。怖いんだ。

男性を信じれないあたしは、人生を諦めている。

だけどもどこか心を満たしてほしいとも考える時があるんだ。

それは、つばさに求められること。

ただの身体の関係だとつばさは思っているだろう。

けどあたしはそれがないと、生きていけない。

この世の中が憎いだけだ。

‥‥‥

‥‥‥

自宅に着くと、玄関に母親の靴がなかった。

どうやら仕事に行ってしまった状況。

その証拠に、リビングには置手紙があって、

それを読むと

“仕事行ってきます。もしテストが悪かったらつばさくんに助けてもらってね”

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