腕を掴んだまま、孝一が立ち上がる。
私の前髪を撫でるように後方へ送って、強く抱きしめてきた。
「あ、あたし、汗すごいと思う……ん、だけど」
「そんなの気にしないよ。真希はイヤ?」
甘えるような孝一の声に、思わず身体が震えるようだった。
そんな風に言われたら、こちらも断れない。最も、断る理由もないのだけれど。
「いやじゃ……ない」
「……真希、こっち向いて」
孝一の言葉に顔をあげると、そのまま、軽く触れる程度のキスがおちる。
何度も、何度も。
子どもの様な幼いキスを繰り返す。
ただそれだけなのに、私の頭はとけてしまいそうだった。
「ん……っ」
シャツの裾から、孝一の手が入ってくる。
下着の上から胸を優しく愛撫され、キスの合間に小さな声が漏れた。
手のひらで胸を包まれ、時々、指先で先端を転がすように触れる。
ビリビリとした快感と、場の空気に寄っている自分がいた。
「ふぁ、…あ!」
「真希、可愛い」
そう言って、孝一は私をソファーの上に座らせる。
恥ずかしいから、と抵抗する私の言葉を制して、一気にシャツを捲りあげた。
胸の先端を、孝一が舌で転がす。
指とは違った感触に、身体が震える。
自然と口からこぼれる、自分の甲高い声が恥ずかしくてたまらない。
両腕で孝一の頭を抱きかかえるようにしながら、胸の刺激に集中する。
気持ちいい。
孝一は少し焦るように、ブラジャーのホックを外した。
乳房が露わになると、外側から先端に向けて円を描くように舌を這わせてくる。
「こう……、こうちゃん、恥ずかしい、よ」
「恥ずかしがるなって、真希。もっと、可愛い顔見せて」
荒い息のままそう言うと、孝一はまた私に口づける。
先ほどのキスとは違って、舌を絡ませ、時に唇を甘噛みした。
何もかも吸いつくされそうなキスに、私は頭がいっぱいになってしまう。
「んん……っ、こう、ちゃん」
孝一の手が、乳房から腹部をなぞるようにおちる。
履いていたショートパンツのホックを器用に外すと、その指先は秘部へと伸びた。
「真希……濡れてる」
「やだっ、言わないで……!」
恥ずかしさで顔を赤くしながら、私はその先を求めていた。
彼の指が、下着越しにクリトリスを刺激する。
一定の間隔で訪れる感覚に、全身が痺れるようだった。
孝一の手が、ショーツの中に潜り込む。
直接的な刺激に、私はもう一段と高い声をあげた。
「やっ、あ、ああっ……」
「ここ、すごいことになってる……気持ちいい?」
上目遣いでそう問われると、またしても私は赤面してしまう。
彼の指は止まらず、クリトリスを挟み込むように弄った。
「あっ、……聞かない、でよ」
目を逸らし、そう言うのがやっとだった。
孝一は私の頬に何度か口づけて、そのままショートパンツを下着ごと下げた。
恥ずかしさから少し抵抗があったが、身体は正直に、脱がせやすいよう腰を浮かせる。
下半身が露わになると、少しだけひやりと冷たい感じがした。
僅かに膝が震える。