「ああっ・・・」
私は声を漏らした。
大野さんに跨がった態勢になると、お尻の部分に当たるものがある。
ズボンの上からでもわかる勃起したおちんちんだ。
既婚者の大野さんがどんなセックスをするのか・・・。
私は彼のおちんちんにお尻を擦り付けながら耳を噛む。
「うっ・・・、くふっ・・・」
彼から小さな
あれ?ひょっとして、大野さんって・・・。
………
………
彼にMっ気があるんじゃないかと思った私。
だけど、今日は彼に身を委ねると決めたんだ。
だから、早くその先に進んで・・・。
自分が濡れてきてるのがわかる。
ねえ・・・、早く・・・、お願い・・・。
そう思っていた時、ふと大野さんの動きが止まり、
「ご、ごめん・・・」
「え?」
「やっぱり美香ちゃんを抱くことはできない。ここまでにしよう」
はぁ?どうしてこうなるの?
何この展開は?
お互いそのつもりでここまで来たはずなのに?
「俺は結婚していて子供もいる。こんなことしたって美香ちゃんには何もいいこと
なんてないよ」
「その話って、今この状況で必要?」
私はそう言って、大野さんに続きを迫った。
大野さんは
「もっと自分を大切にした方がいいよ」
ペニスを勃起させたまま言うセリフなの?
結局、その日はセックスすることもなく大野さんと私は別れた。
自分が惨めな気分だった。
ただ、彼の耳に触れて何かのスイッチを押した際に、彼の体の中に潜むMの片鱗を
見透かせたような気がする。