恋のはじまり

僕たちの初めてはオフィスだった

「ああああっ!」

彼と私の小さな絶叫が共鳴した。

挿入された瞬間、稲妻が駆け抜けるような衝撃が、全身を貫いた。

こんな突き抜けるような快感は初めてで、一瞬頭が真っ白になった。

「す、すごいよ高橋さん」

「私たち、体の相性は抜群みたいですね」

彼が快感の中でようやく絞り出した言葉に、私はそう答えた。

「最高、だよ」

「うれしいです」

彼は私を抱きしめながら、腰を激しく動かした。

そのたびに体を貫く快感。

一度、また一度と私の奥底を彼が突き刺すたびに、その激情は私の心をかき乱した。

満ち溢れる欲望で、私は頭がおかしくなりそうだった。

「あっ、あん……」

私の声か、彼の声かはもうわからない。

そんなことはどうだっていい。

二人でつながって、二人で快感を分かち合っている。

大切なのは、きっとその事実だけなのだろうと、私はこの瞬間、強くそう思った。

私の背中に回した彼の腕が、次第にきつくなっていく。私も彼の背中に手をまわして、きつく、抱きしめる。

「声をあげちゃだめだよ」

「でも……」

「声が外に聞こえちゃうかもしれないからね」

「気持ちよくて……」

「じゃあ、こうするしかないな」

彼はまたいじわるな顔をしてからそう言って、強引に私の口をキスしてふさいだ。

「んん!」

漏れ出るところを失った私の吐息は、彼の中にすうと吸い込まれていった。

上と下の口で、激しくつながっている。

これがセックスか。これがまじわるということなのか。

私は初めて、知った。

ぱん、ぱん、と肉と肉がぶつかり合う音。

ぐちゅ、ぐちゅ、と穴と棒がこすれあう音。

くちゅり、くちゅりと舌と舌が絡み合う音。

淫靡な音が重なり合って、耳に響いてくる。

私と彼のすべてがつながっていくことを、私は全身で感じていた。

快感を全身で味わっていた。

この瞬間が永遠に続けばいい。

本気でそう思った。

ずっと、彼とつながっていたい、と、人生で初めて、誰かとセックスをしている瞬間にそう思った。

「イっていい?」

「私も」

「うん」

彼は獣のような顔をしながら、しかし優しく微笑みながら、激しく腰を振った。

「あ、ん、ああっ!」

「んんうっ!」

二人は同時に、絶頂を迎えた。

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