私は一度、彼のペニスから口を離して言った。
「結城、私、そろそろ我慢できないんだけど」
「どういう、ことですか」
「挿れて」
「え……」
「あなたのを舐めてたら、我慢できなくなってきたの……」
本当のことを言うと、彼のをくわえ始めたときから、私はもう我慢できなくなっていた。
股のあたりがずっとうずうずして、彼のその太い欲望が欲しくてたまらなくなっていた。
私が興奮してしまったせいで、床に垂れてしまうくらい、その欲望を欲しがっている私の蜜壺は、愛液で満たされていた。
「でも僕、持ってません」
「ゴムのこと?」
「はい」
「実は私、持ってるんだ」
「え?」
「前に試供品でもらったの」
何かのイベントに立ち寄ったときに、五つ入りのゴムをもらった。
使う当てもないからと思っていたが、まさかこんなところで役に立つとは思っていなかった(というのは少し嘘で、彼に絵を描いてもらおうと思った時から、こうなる可能性は少しだけ考えていた)。
「それあげるから、しよ」
「そうですか……」
彼は一瞬迷うようなそぶりを見せたけれど、
「わかりました」
と言って、頷いてくれた。
きっと彼は、私のために悩んでくれたのだろうな、と思う。
彼はそういう、やさしい人だというのを、私は知っている。
「はい、これ」
私はゴムを一つとって、彼に渡した。
「つけ方は」
「授業でやりました」
こんなところでつけることになるとは、思いませんでしたけどね。
彼はそんな風に笑いながら、そそり立っている充血して真っ赤なペニスに、丁寧な手つきでそれをかぶせた。
「つけられた?」
「はい」
私は、自分の制服を床に敷いて、その上に横になった。
彼は私の股にちょうどペニスが来るくらいの位置で、膝立ちになった。
「じゃあ、挿れていい、ですか」
彼は、不安からか、期待からか、それとも、緊張からか、声が少し震えている。
「うん、いいよ」
私の声も、きっとそんな風に震えているだろうなと思った。
私は、自分の中へ導くために、穴の入り口を少し指で広げた。
「じゃあ、挿れますね……」
彼の芯の部分が、私の中へ入ってくる。
ゆっくりと、穴を押し広げて入っていくのを感じる。
「んんっ……」
それに反応して、体の中の空気が押し出されたみたいに、息が漏れた。
「い、痛かったですか?」
「ううん、違う」
初めてだから、多少の痛みはあったけれど、それはほとんど気にならなかった。
それくらい、初めての挿入は、気持ちがよかった。
初めての時は痛いもの。そんなふうに、私の周りの経験豊富な友達も言っていたから少し怖かったけれど、思っていたほどのものじゃなかった。
その痛みも、すぐに薄れて、ただ彼の体温だけが体の内側から感じられるだけになった。
「動いていいですか?」
「うん」
私が答えると、彼はゆっくりと動き出した。