恋のはじまり

私のすべてを見てほしいの

「ああっ……」

一回動くだけで、僕はもう射精してしまいそうになった。

気持ちいいなんていう言葉で表現することがはばかられるくらい、それは気持ちのいいものだった。

感じたこともないほどの快感が、僕の全身を駆け抜けていった。

「気持ち、いいです……」

「私も……」

僕は今、先輩とつながっている。

その喜びを胸にかみしめながら、僕は腰を動かし始めた。

入れて、出して、入れて。

それを繰り返すたびに、薄れることのない快感が僕の全身を駆け抜けていった。

「ああ、ああっ!」

「あんまり声出しちゃダメだよ」

だって、ここは学校だもん。

先輩はいたずらっぽくそう微笑んで、僕の体を少し強引に抱き寄せた。

そして、僕が思わず声を上げてしまったのを抑えるために、キスをして口をふさいできた。

舌も入ってきて、僕たちは上と下の口で濃厚につながりあった。

「んんっ!」

僕と彼女の声が混ざり合って、口の中で響いた。

僕の腰の動きはそれに合わせて加速していった。ぱんぱんと高く音が響いた。

外では、野球部の誰かがボールを打ち上げたらしい。そして、吹奏楽部の演奏する音楽も聞こえてくる。

僕たちは学校で、こうしてつながりあっている。

先輩の裸を見てから、ほとんど忘れてしまっていた(ここは僕たち二人だけの空間なのだと、いつの間にか錯覚してしまっていたらしい)その事実を思い出して、背徳感にぞくぞくした。

「先輩、好きです」

「私も」

僕たちはそう言いあって、激しく絡み合った。

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