そのままわたしはキングサイズのベッドに押し倒された。
思わずドキドキとときめいてしまった。
がっちり手首をつかまれてしまって動けない。
それから噛みつくようなキスをされた。
様々な角度から執拗な、どこか癒しを感じるキスだ。
「ん、ぅ」
ぴちゃ、と水音を響かせられてわたしは飲み込まれそうになる。
それから唇が離れて、昴くんは真剣なまなざしでわたしを見ていた。
この視線は、嫌いじゃない。
昔にあった、昴くんに一目ぼれして、胸が張り裂けそうになって、ドキドキして、
恋愛的な意味合いで心拍数は上がる。
「‥‥‥美鈴。」
「!!」
昔も、さっきも、いつもは“美鈴ちゃん”なのに対して、今は名前だけで呼ばれた。
「あの、昴くん?」
「言って。俺の名前。呼んでよ」
「‥‥‥すば、る」
「もう一回」
「昴‥‥‥」
「よくできました。なあ、このまま俺に一晩くれねぇか?俺の息子が我慢できない」
「ふふっ。素直。いいよ。わたしも昴に触れられたい。」
その言葉の後で、昴はわたしの唇にまた濃厚なキスをくれた。
気持ちが伝わってくる、優しくて愛がどろどろと混じっているキスだ。
わたしと旦那は授かり婚である。
だからこんなに気持ちが入ったキスというのは、経験がないに等しい。
そっか‥‥‥こんな気持ちになるんだ。
こんな風に感じるんだ。
昴は空いている手でわたしの服を脱がせる。
下着をとられれば露わになるわたしの胸。
両手で持ちしごかれれば気持ちが良くて自然と声が出る。
………
………
「っぁ」
わたしの口内を荒らす昴の舌が、わたしの舌を巻きとっている。
ぐちゅぐちゅと激しく唾液が大量に含まれている。
口の端からは唾液が垂れていた。
わたしの舌先をとらえた後で、わたしの唇を名残惜しそうに一度離れた。
下唇から顎まで、線をつけるかのように舐められる。
心地が良くて温まる。
人のぬくもりがここまでかって感じて嬉しさを覚えた。
首筋に堕ちていき、首筋をなぞられた。
ゾクゾクしてたまらない。
旦那とこんなセックスしていないわ。
いつも自分本位だし。
そう考えていれば、昴の舌先は胸に到着した。