いまだ服を着たままの、彼のそこに手を這わす。
服の上からもはっきりわかるほど固く膨張したそれは窮屈そうだった。
「ん……」
和志は恥ずかしそうに頷き、服を脱いだ。
彼の素肌を最後に見た日は思い出せない。
もし覚えていたとしても
この光景が全部を塗り替えるのだろう。
くっきりと浮かび上がる筋肉や骨のふくらみ。
覆うなめらかな素肌は水を弾くように若々しく、雄々しい。
「……すっかり男の人なんだね」
「そうだよ。六年お預けを食らって、大人になったの」
手を導かれ、誘われたそれは、
お腹についてしまいそうなくらい上を向いていた。
そっと両手でつつむとびくんと脈を打つ。
「ん……」
つるりとした先端にキスを落とし、ゆっくりと口内へ。
大きくてあまり奥には入れられないから、
口の動きに合わせて掌で上下させる。
「んむっ……ちゅむっ!」
唾液の滑りを利用してちゅっちゅっと優しく吸い上げると、
和志が息を詰めたのを感じた。
そのまま裏筋に舌を伸ばし、幹を少し強めに擦る。
――ぢゅるるっ! ぢゅぽっぢゅぢゅぢゅっ……くぽっくぽっ!
「んむっ! んっんっ!」
ペニスに舌と唾液をくまなくいきわたらせ、激しめに上下する。
先端へと上り詰めるようにぢゅっぢゅっと緩急つけるたび、
和志の腹筋がびくりと反応し、
我慢しきれない甘い声が脳を刺激する。
「あっ……クッ! いったん、いったんストップ……」
ぐいっと強い力で離されてしまった。
ペニスはびくびくと脈打っていて、
限界も近いかと思ったのに。
「だめ? 気持ち良くなかった?」
「逆。すげぇよかった。でも、
あくまで奉仕の主導権を握らせて欲しいんだよね。今日は」
「えー……なんか不公平」
「ん。言うと思った。だからさ、なめ合いっこにしよ?」
和志に誘導されるまま、私は身体を横たわらせると、
その眼前に局部が来るように寝そべる。
思ったより恥ずかしい体制に抵抗しようとすると、
和志の舌がクリトリスを捉えた。
「ひぁんっ!」
ゆっくりと、円を描くように、
舌は柔らかくクリをなぞる。
くすぐったくもむず痒い動きは散々指で苛めぬかれたそれとは全く違っていて
「あっあぁ……はぁ、んん!」
とろんとろんと甘やかされるたびに心がきゅうっと甘くなる。
(もぉ、こんなの、続けられたら耐えられないじゃん……)
ちゅぽちゅぽと唇でしゃぶりついたり、舌の中腹で転がされる。
私はかろうじて口に含んだ男根に舌を這わせたけれど、
自分の快楽を追いかけるので精いっぱいになっていた。