マニアック

私に最愛の影を見る風俗通いの男

初めての店外デートを境に貪欲に私の体を求め始める

私は何も言葉が見つからず、慟哭どうこくしながら話す彼を抱き締めた。

そして、この日、彼は初めて私にお店以外でのデートを申し込み、私はそれを許した。

 

ホテルでは、彼は貪欲に私の体を求めた。

唇を何度も重ね、熱く舌を絡め合い、むしゃぶりつくように私の胸の尖りを吸いたてる。

私は不幸な境遇にいる彼をかわいそうだと思い、単に体をゆだねていただけだったが、
乳首をしゃぶられると、全身に快感が走った。

「あっ、ぁあっ」

私の声で彼はさらに興奮したようで、すぐにゴムを付け、正常位で一気に挿入してきた。

「あぁっ、ああぁあ・・・」

彼の性器は太くたくましく、そして長かった。

これまでの男性では味わえないような快感が私を襲う。

強く抱き締められながら突かれると、ゾクゾクするような快感が腰にまで伝わり、
私はあっという間に高みに昇り詰めてしまった。

しかし、彼はその後も私の肉体を欲し、それに対し、私は彼の心と彼自身を受け止め、
何度も抱かれたのだ。

 

それからしばらく、彼は店に来なくなった。

どうしたのだろうと考えたが、所詮はお金が必要な世界なのだからとあまり気にせず、
忘れようとしていた。

それから2週間後、彼は姿を現した。

「しばらく来られなくてごめんね・・・」

荼毘に付してからこれまで1年間は、近くの彼女の実家で手元供養をしていた彼女の
遺骨のために、お墓を建てていたので時間がなかったのだという。

「そんなこと気にしないでください・・・。家族だった婚約者の彼女さんの方が大切
ですから・・・」

私がそう言うと、彼はまた私を抱き締めた。

そして、彼は2度目の店外デートに私を誘ったのです。

さすがの私も店外で何度も会うのは躊躇われ、どうしようかと返事できないでいると、
彼は慌てた様子で言葉を紡いだ。

「あ、そうか・・・、店外で何度も会うのは無理だよね、ごめんね」

少し寂しそうにそう言うと、彼は俯いて言葉を続けた。

「彼女のお墓に来てほしくて、つい・・・、すみません・・・」

そう言われると、それ以上断れきれなかった。

「そういうことでしたら・・・、内緒で・・・」

小声でそう言うと、彼は息も絶え絶えで慟哭した。

 

次の晴れた土曜日、私たちはお店のある駅ではなく、離れた駅の前で待ち合わせをする。

私はもちろん、お店用の赤いドレスではなく、いつもの地味な黒とグレーのパンツスーツ
姿で行った。

墓所に出向くのがわかっていたから、できるだけ喪に服すような服装にしたのだ。

しばらくすると、彼は車でやって来た。

促されるまま、セダンの助手席に乗る。

彼の車に乗ってドアを閉めると、ふっといい香りに包まれた。

後部座席に婚約者の墓前に供えるためか、色とりどりの花束がいくつも積んであった。

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