マニアック

お口でイッちゃうほどの異常敏感体質なんです

初対面の男性に口元を触られて・・・

喫茶店を出て、4人で目的地のファミレスまで歩き始めると、宏太君が私を気遣ってか、
危なくないように、さり気なく、私の外側に歩く位置を変えてくれました。

さらに、ファミレスに入る時には、宏太君がドアを開けてくれて、先に私を店の中に通し
てくれたりするなど、その紳士的な振る舞いに少し感心しました。

ファミレスに入り、メニュー表を見て何を食べるか考えていると、宏太君が、

「ここのファミレス、ハンバーグがめちゃくちゃ美味しいんだよ」

「へぇ~、そうなんだ。じゃあ、私はこの和風おろしハンバーグにしようかな。彰久は
何にする?」

「う~ん、そうだな・・・、それじゃあ、俺も明美と同じのでいいや」

「友香と宏太君は?」

「え~と・・・、あっ、私、チーズが大好きだから、この照り焼きチーズハンバーグに
しようかな」

「えっ?奇遇だね。俺もチーズが大好きなんだよ!よし、じゃあ、俺も友香ちゃんと
同じのにするかな」

和風おろしハンバーグ2つと照り焼きチーズハンバーグ2つを注文し、みんなでワイワイ
楽しく会話しながら、美味しくいただきました。

「うわっ!本当だ。このハンバーグめちゃくちゃ美味しいね。今まで食べたハンバーグの
中で、一番かもしれないわ」

「確かに、俺もこんな和風おろしハンバーグは初めてかも」

明美と彰久君は、あまりの美味しさにかなり驚いた表情をしていました。

「ねえ、友香の注文した照り焼きチーズハンバーグはどう?」

「うう~ん、この照り焼きソースとチーズが絶妙なバランスでハンバーグとマッチ
していて、もう最高だわ!」

「でしょ!俺よくここのハンバーグが好きで食べに来るんだよね」

「本当、宏太君の言う通り、抜群にハンバーグが美味しいわ」

 

私は過去一の美味しさのハンバーグを夢中で味わっていると、あまりにも夢中になり
過ぎてしまい、口元に照り焼きソースが付いているのも忘れるほどでした。

すると、そんな私に気付いた宏太君が私の方を見て、クスクスと笑っていました。

「何?どうしたの宏太君。何かおかしい?」

「えっ、ああ、いや、その、照り焼きソースがさ、さっきからずっと友香ちゃんの口の
周りにくっ付いたままだから」

「ヤ、ヤダもう!宏太君ったら、見ないでよ、恥ずかしいから」

そう言って、私は慌ててテーブルに置いてある紙ナプキンを手に取り、口元に付いている
照り焼きソースを拭き取ろうとしました。

何度か口元を拭いてみましたが、まだ宏太君がこちらを見て笑っています。

「な、何よ、まだ付いてるの?ど、どこ?こ、この辺でいい?」

しかし、まだ宏太君は笑ったまま。

私が必死になって口元を拭き続けていると、見かねたのか、突然、宏太君が紙ナプキンを
手に取って、私の口元に当ててきたのです。

「ひゃんっ!」

宏太君は優しくトントンと口元を拭いてくれましたが、口が感じやすい私は、思わず変な
声を漏らしてしまいました。
………

………
「違うよ!ここだって。ほら、まだこんなに付いているだろう」

そう言って、丁寧に吹き続けてくれる宏太君は、照り焼きソースが付いた紙ナプキンを
私に見せてきました。

「そんなに驚くことないだろう、変な声出して。友香ちゃんって、噂通り本当におっちょ
こちょいなんだね」

「もう、何よ!宏太君のバカッ!」

「アハハ、ごめんごめん。でも、そんなおっちょこちょいなところの友香ちゃんって、
なんかいいなあ」

えっ?何々?それって、もしかして・・・、私のことが好き・・・ってことなのかな。

いやいや、何を変な妄想をしているの、今の私、何か変だわ・・・。

異常なほど感じる性感帯の口を、さっき知り合ったばかりの初対面の男性に触られて、
感じてしまったことがバレていないか心配だった。

胸に手を当てると、ドキンドキンと激しく鼓動が高鳴っています。

頭も何だかジーンと軽く痺れているような感じ。

何?この感覚は、体も少し火照っているし。

「どうしたの?顔が赤いよ、大丈夫?そんなに恥ずかしかった?本当にごめんって」

「も、もういいわよ。別にそんなに怒ってなんかないし」

「よかったぁ。友香ちゃんに嫌われたらどうしようかと思ったよ」

ほら、また思わせぶりなことを言ってくる。

そんなこと言われたら、ちょっと好きになっちゃうかも。

正直言って、それほど見た目はカッコよくないし、あまり私のタイプではないけど、
彼の紳士的な振る舞いや優しさに、私の気持ちは少しグラッと傾きかけていたのです。

 

ファミレスでの昼食も終わり、その後は、ボーリングに行ったり、カラオケに行くなど、
夜遅くまで4人で遊び倒しました。

そして、カラオケも終わって店から出た時、宏太君が私たち3人に、

「よかったら、今度、みんなでキャンプにでも行かない?段取りは全部俺がやっておく
から、みんなは何も準備しなくてもいいからさ」

「わあー、それいいね。キャンプかぁ、何だかワクワクするね。何か夜にハプニングが
起きちゃうかもね、友香」

明美は意地悪そうに私の方を見て、そう言ってきたのです。

「な、何よ、そのハプニングって」

「だ~か~ら~、友香と~、宏太君が。ね~、彰久」

「バ、バカなこと言わないでよ。宏太君とは、まだ、何もないんだから」

「何よそれ、これから何かあるみたいな意味深な発言は~、ねえ、宏太君」

「・・・さ、さあ」

「宏太君、明美の言うことなんか気にしないでね、もう、明美、いい加減にしてよね!」

「わかったわかった、そんなにムキにならなくってもいいでしょ。さあ、この話はもう
これで終わり!」

こうして、1週間後の8月の最初の週に、私たちはキャンプに行くことになりました。

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