マニアック

母親代わりのアラフォー婦人の快楽レッスン

翌日、約束通り、夜の7時になると、徳山さんは私の部屋にやってきました。

私はまたまた徳山さんの気を引こうとして、胸元が大きく開いたぴっちりTシャツにデニ
ムのホットパンツスタイルで彼を出迎えます。

ドアを開けると、紺色のポロシャツとベージュ色のチノパンに身を包んだ徳山さんが立っ
ていました。

徳山さんは胸の谷間と太もも全開の私の姿を見て、一瞬、目を見開いて驚いたような表情
を見せた。

よしっ!最初の掴みは成功ね。

作戦が上手くいって期待を膨らませた私は、徳山さんの手を引っ張って招き入れる。

「いらっしゃい、さあ、上がって!」

「おじゃましまーす」

お互い少し緊張気味に挨拶を交わすと、私は徳山さんを奥のリビングに案内しました。

 

この日のメニューは、サバの味噌煮にホウレンソウのお浸し、それに、野菜たっぷり具だ
くさんの味噌汁。

「うわぁ!美味そう!サボの味噌煮なんていつぶりかな。もう、食べちゃってもいいです
か?さっきからずっとお腹がなっちゃって。もう我慢の限界!」

「どうぞどうぞ、召し上がれ」

「いただきまーす!」

両手を合わせてそう言うと、徳山さんは待ちきれないとばかりに、ガツガツと掻き込む
ようにして、一気に食べてしまいました。

「はぁー、お腹いっぱい!ご馳走様でした!」

「こんなに美味しそうに食べてくれるなら、明日からも、作り甲斐があるわ」

「いや、本当に美味いですから。こんなに美味けりゃ、誰だってがっついちゃいますよ」

「まあ、嬉しいこと言ってくれるわねぇ。ねぇ、この後、まだ時間ある?」

「えっ、この後ですか?大丈夫ですよ。今日はどうせ暇なんで」

「じゃあ、コーヒーでも飲んでちょっと休んでいきなさいよ。お腹いっぱいですぐには
動けないでしょうから」

コーヒーを入れて、リビングのソファに座る徳山さんの前に持っていくと、そのまま彼の
横に並んで座りました。

 

徳山さんを横目でチラッと見ると、半袖のポロシャツの袖口から伸びる腕は、ガッチリ
していて逞しい。

身長はそれほど大きくないけど、胸板も結構厚い。

そんな徳山さんの体つきのよさを見ていると、私の胸の鼓動は少しずつ高鳴り始める。

「明日の夕飯は、豚の角煮とか食べたいなぁー」

「いいわ、作っておくから」

「やったー!明日も楽しみだなぁー」

遠慮気味にそう言い、ちょっぴりはにかんだ口元が私の欲情を擽る。

あぁ、徳山さんに抱いてもらいたい・・・。

何なら夕飯だけでなくて、私を食べちゃってもいいんだよ・・・。

さあ、今すぐこのままソファに押し倒してちょうだい・・・。

次々と湧き出して来るそんな気持ちをグッと堪えながら、私は徳山さんと他愛もない話を
して過ごしました。

 

そして、しばらくすると、徳山さんの身の上話になり、話を聞くと、とても可愛そうな
人生を送ってきたことを知りました。

なぜ、私が徳山さんに対してこんなに感情移入するのかというと、彼の人生が私と同じよ
うな境遇だったからです。

徳山さんの話によると、彼は生まれた時から母親を知らない。

祖母に育てられ、高校までは小さな島で育ったとか。

彼女も作らず、勉強に励み京都の大学へ入り、仕事場も同市内の大手企業に就職。

当時の住まいは、ここと同じ2階建てで、世帯数はここより2世帯多い10世帯の古い
アパート。

室内には小さなキッチンはあるが、洗面所とトイレが共同の6畳1間だった。

それから、ガムシャラに働き、2年が過ぎ、24歳になっていた。

私も4歳の頃に、両親が離婚して父親に引き取られたので、母親の顔はほとんど覚えて
おらず、私と似たような境遇の持ち主なのだ。

そんな私と同じような境遇を辿ってきた徳山さんの話を聞いていると、他人とは思えなく
なり、ますます彼のことが好きになっていく自分がいました。

そして、私は気持ちが抑えきれなくなり、お互いの太腿同士がくっ付くほどの距離まで近
付くと、徳山さんの太腿の上に手を置いたのです。

 

一瞬、ピクンと体を震わせた徳山さんの太腿をそのまま擦りながら、

「ねえ、キス・・・、しようか・・・」

と私は耳元で囁いてみた。

「・・・」

徳山さんは無言で俯いたままだったけど、私の彼への誘惑の勢いは止まらない。

今度は、徳山さんの腕に両手でギュッとしがみ付き、Hカップの大きな胸をムニュッと
押し当てる。

腕に押し当てられた胸は、上に盛り上がって、胸元の胸の谷間が、より一層強調されて、
それを徳山さんに見せつけるために、体を寄せて彼のほぼ正面に向けてみた。

徳山さんは顔を真っ赤にしながらも、視線はしっかりと私の胸元に突き刺さっている。

私は徳山さんの首に両手を回し、一気にキスをしようと、自分の唇を彼の唇に近付けた。

ところが、徳山さんは私の唇を避けるように体を離すと、私から少し距離を置いて座り
直し、

「あ、あの、きょ、今日は、もう帰ります。ご馳走様でした」

そう言うと、徳山さんは私の腕を振り解いて立ち上がると、急ぎ足で自分の部屋に帰って
しまいました。

 

ひょっとして、今ので嫌われちゃったんじゃ・・・、いや、そうじゃない。

私はさっきの徳山さんの身の上話の内容を思い出した。

そうか、今まで24年間、女性とお付き合いしたことがなかったみたいだから、女性経験
はなかったのよね。

それで、どうしたらいいかもわからず、照れて逃げちゃったんだよね、きっと。

でも、ちょっと待って。

よく考えてみたら、今日“は”ダメということは、明日なら大丈夫なのかしら。

なら、まだ脈はありそうね。

よしっ、明日また誘ってみよう。

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